お仏壇とは?
日本のお仏壇の発祥は今から1000年以上も前、天武天皇の時代とされます。
仏間や床の間など、各家庭の信仰する宗派のご本尊を置く場所にご先祖様を祀るようになったことが元となり、お仏壇は、家庭に置くことができるお寺のミニチュアというのが本来の意味でした。お寺もお仏壇も「仏様の世界」「お浄土」を表しています。
荘厳(しょうごん)ってなに?
「荘厳(しょうごん)」とは仏教用語で仏像や仏堂を美しく、厳かに飾ることをいいます。立派な装飾を見て信心が啓発されることから、まずはお仏壇を美しくお飾りし、仏様へ心のこもったお供物をお供えすることから始まります。これを「信は荘厳より生ず」といいます。心の中にだけ信仰心を持っていればそれでいいということではなく、想いを形にして表すことが大切なのです。
お仏壇の飾り方
お仏壇の飾りは宗派によりかわります。またお仏壇のサイズやデザインによっても内部の空間が異なり、おさまるお仏具の数はかわることがあります。
お寺や地域によりご本尊、脇侍以外にもお飾りもかわることもありますので、事前にお寺に確認をすると安心です。
お仏具について詳しくはこちら>>
宗派ごとのご本尊・脇侍
宗派 | 脇侍(左) | 本尊 | 脇侍(右) |
天台宗 | 伝教大師 | 座弥陀 | 智者大師 |
真言宗 | 不動明王 | 大日如来 | 弘法大師 |
浄土宗 | 法然上人 | 阿弥陀如来 | 善導大師 |
浄土真宗本願寺派 | 蓮如上人 | 阿弥陀如来 | 親鸞聖人 |
真宗大谷派 | 九字名号 | 阿弥陀如来 | 十字名号 |
臨済宗 | 普賢菩薩 | 釈迦如来 | 文殊菩薩 |
曹洞宗 | 常済大師 | 釈迦如来 | 承陽大師 |
日蓮宗 | 鬼子母神 | 御曼荼羅・三宝尊・ 日蓮聖人 |
大黒天 |
お仏壇を置くスペースのサイズだけなく、お仏壇とお仏具のサイズも確認をしましょう。お仏壇やお仏具のサイズもさまざまです。実際にお仏具をお仏壇に入れて検討するのがよろしいでしょう。
はせがわでは専門スタッフがアドバイスからお飾りまでおこない、検討のお手伝いをおこなっています。
はせがわの店舗はこちら>>
一般的な飾り方
浄土真宗以外の宗派で一般的な飾り方です。宗派やお寺、地域により異なることもありますので、購入前にはお寺に確認すると安心です。
コンパクト化しミニサイズのお仏壇ではお仏具を全てお飾りすることが難しい場合もあります。そのような中でも下記のお仏具は最低限用意したいものです。
- ご本尊・脇侍(※宗派ごとにかわります)
- お位牌
- 仏飯器・お湯のみ
- 仏器膳
- 高坏
- 五具足(三具足)
- おリン
■三具足とは
「三具足(みつぐそく)」とは、花立・香炉・火立の3つの総称のことで、お仏壇でのお参りには欠かせないお仏具です。(花立と火立を対でお飾りした場合は「五具足(ごぐそく)」と呼びます)
※具足(ぐそく)とは…「物事が十分に備わっている」という意味があり、お仏具においては仏様へのお供えで使用する仏具一式のことを指します。
これらのお供えは「仏の三大供養」とも言われ、仏様へのお供えとして最も大切なものとされています。
台の上に置くタイプ
(浄土真宗以外の宗派)
台の上に置くタイプのお仏壇は内部の空間が狭くなりますのでお飾りも簡略化の傾向があります。「仏様の世界」を表すものですのでなるべくお仏具をしっかり揃え、床から置くタイプのように正式な飾りが望ましくはあります。
この飾り方は普段のお飾りともいえますので、床から置くタイプのお仏壇も普段や内部の空間スペースがとれない場合はこちらを参考にしてください。
床から置くタイプ
(浄土真宗以外の宗派)
床から置くタイプのお仏壇は内部の空間が広くなっており、お飾りをゆったりと置くことができます。
お盆、お彼岸などの法要時には、正式なお飾りをしましょう。正式にはお花立と火立を対にします。幢幡(どうばん)、大小2枚の打敷(うちしき)を飾り、御霊具膳(おりょうぐぜん)に精進料理をもります。
※日蓮宗では木魚ではなく木征を用います。
近年ではお仏壇のモダン化やコンパクト化もあり、お飾りするスペースを十分に確保できないこともあります。その場合は、【台の上に置くタイプ】の飾りを参考にするとよろしいでしょう。
浄土真宗の飾り方
浄土真宗本願寺派、真宗大谷派でのお飾りをご紹介します。他の宗派と同様にお寺や地域によってもかわりますので、事前にお寺に確認をしておくと安心です。
浄土真宗本願寺派(お西)
正式なお飾りでは香炉・花立・火立はお仏壇の中央になります。打敷の上に香炉、その両脇に花立・火立を対で並べます。天井からは瓔珞(ようらく)・輪灯(りんとう)をさげます。お餅や落雁をさしあげる供笥(くげ)を対で飾ります。
普段は簡易なお飾りになります。打敷を外し、供笥もお供えがない時はしまいます。仏飯器(ご飯のお供え)はご本尊の前だけで略し、中段の花立・火立も対の必要はありません。普段の飾り方は小型なお仏壇にも適しています。
真宗大谷派(お東)
正式なお飾りでは香炉・花立・火立はお仏壇の中央になります。打敷の上に香炉、その両脇に花立・火立を対で並べます。天井からは瓔珞(ようらく)・輪灯(りんとう)をさげます。ご本尊の前に仏飯器を2つ並べます。お餅や落雁をさしあげる供笥(くげ)を対で飾ります。
普段は簡易なお飾りになります。打敷を外し、供笥もお供えがない時はしまいます。仏飯器(ご飯のお供え)はご本尊の前だけで略し、中段の花立・火立も対の必要はありません。普段の飾り方は小型なお仏壇にも適しています。
※一対の火立は左右の向きに注意しましょう。(鶴の口ばし右開き、亀の尻尾は手前向き)
※真宗大谷派は東本願寺といういい方をすることもあります。
お仏壇を用意したら
お仏壇とお飾りの準備ができましたら、ご供養がはじまりますが、その前に必要なことをご説明します。四十九日や一周忌、七回忌の法事などの回忌法要やお盆の際には正式なお飾りをし、仏様を美しく飾るとよろしいでしょう。
開眼供養(かいげんくよう)
お仏壇やお位牌、お墓を用意したあとには開眼供養をおこないます。魂入れ、仏壇開きなどともいわれます。僧侶による読経を経て、物から手を合わせる対象へとなると考えらています。
事前に、どこで(自宅・寺院・葬儀会館)、いつ(四十九日などの法要と合わせて、または開眼供養のみ)するのかをお寺と確認をしましょう。
ご供養のはじまり
お仏壇とお仏具が揃い、開眼供養もできましたら手を合わせる場が整います。ご先祖様を敬い、今までの命を繋いでくださったことへの感謝をはじめ、日々の出来事を報告されるといいでしょう。合わせてお線香をはじめお供え物も供えましょう。
お花はどちらに向ける?
私たちにお花の正面が向くようにお供えしましょう。仏様の慈悲の心をあわらしていますので、それをいただくという意味があります。お花の花粉がお仏壇につかないように注意しましょう。
お仏壇の扉は閉める?
開けたままでかまいません。いつでもご先祖様に見守っていただけるように、私たちが手を合わせられるようにと考えられています。朝に扉を開けて、夜に閉めるといった習慣もあります。
写真はどこに置く?
手を合わせる対象はご本尊やお位牌になる考えから、お仏壇には写真用のスペースはないものです。しかしながら写真で故人様の顔を見たいという気持ちも強いものです。和室ですと鴨居に飾られていることが多くあります。ミニ机などの台を用意して置かれるのもよろしいでしょう。小さい写真であればお仏壇の中に飾ることもあります。
お飾りの写真を撮っておく
お飾りは簡易なものから複雑なものまであります。お供えものやお掃除でお仏具を動かした後に「どう飾ってた?」という悩みは多いものです。
事前にお飾りした状態の写真を撮っておくとよろしいでしょう。仏壇店で購入時に荘厳した状態を撮影したり、ご自宅でお飾りが完了した際に撮影などがいいタイミングではないでしょうか。
お掃除
お仏壇もお仏具もお参りをしていると、いつの間にか汚れるものです。普段からこまめなお掃除をしましょう。
陶器製の湯飲みなどは食器同様に洗いますが、絵付けが細かい場合はこすらないようにしましょう。それ以外のお仏具は基本的に薬品を使用せずにやわらかい布や毛払い(毛ばたき)になります。
お掃除用品はこちら>>