お仏壇へのお供えにおすすめの果物とは?
お仏壇へのお供え物は、仏様やご先祖様へ敬意や感謝の気持ちを表す意味があります。みずみずしく、季節を感じることのできる果物は、お仏壇の基本のお供え物です。
ここでは、お仏壇にお供えするおすすめの果物と果物選びのポイント、進物品のマナー、購入場所について解説します。
お供え物として人気・定番の果物
数ある果物の中で、お仏壇のお供え物として人気があり、おすすめのものを紹介します。
- りんご
- オレンジ
- バナナ
- グレープフルーツ
上記はお供え物として定番で、一年を通してスーパーマーケットで気軽に手に入れることができます。
季節を感じる旬の果物もおすすめ
季節に合わせて新鮮な旬の恵みをお供えするのもよいでしょう。
春はさくらんぼ、夏は桃、キウイ、メロン、秋は梨、柿、ぶどう、冬はみかんなどもおすすめです。
果物選びのポイント
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常温で日持ちしやすい
お仏壇にお供えする果物に決まりはありませんが、常温でのお供えが可能で長持ちする果物を選ぶことがポイントです。
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分けやすく、持ち帰りやすい
法事で用いる場合は、参列者にお持ち帰りいただくことも考慮し、1つずつ分けて持ち帰れる果物を選ばれるとベストです。
亡くなられた方が好きだった果物をお供えすることもおすすめです。
果物の形は丸いものが好まれます。魂の形が丸いと考えられているためです。また、球体の形が「円=縁」を想起させ、縁起がいいともいわれています。
法事のご進物用におすすめの「カゴ盛りフルーツ」
法事でお贈りする果物は、選ぶのに迷う場合、カゴに盛られたフルーツ詰め合わせを選ぶと見栄えも良くおすすめです。お葬式や四十九日法要、初盆(新盆)などの法事でよく用いられます。
予算は、お相手との関係性にもよりますが、3,000円~5,000円程度が相場です。
のし(掛け紙)と水引のマナー
ご進物用のお供物の場合、故人様への敬意を込めて、水引とのし(掛け紙)をかけてお渡しすることが一般的です。
水引は白黒もしくは銀色の結び切りを使用します。蝶結びの水引は慶事用のため、注意しましょう。法事の節目(四十九日法要や一周忌)で水引の色が変わる地域もあるため、周囲の方へ事前に確認すると安心です。
水引の上部には、「御供」または「御供物」と記載します。
水引の下部には差出人の名前をフルネームで記載します。複数人の場合は連名や、「○○一同」と記載する場合もあります。
カゴ盛りのように、掛け紙をかけることが難しい場合は、掛け紙の代わりにリボンをかけることもあります。リボンの色に決まりはありませんが、白黒や紫色、黄色が用いられることが多いです。
■掛け紙と水引のマナーについて詳しくはこちら
掛け紙の書き方(表書き)と水引の基礎知識をはじめ、気を付けたい作法やマナーについても解説しています。
果物の購入場所
お仏壇にお供えする果物は、スーパーマーケットや青果店、百貨店、果物の専門店、通販サイト(ネットショッピング)などで購入することが可能です。
自宅用のお供え物の場合、スーパーマーケットや青果店で購入されるケースがほとんどです。
百貨店や専門店は贈答用の果物も多く販売されており、法事のご進物品を選ぶ際におすすめです。通販サイト(ネットショッピング)は、直接お供え物を先方へ手渡せない場合でも送料無料でお送りできる場合があります。
お仏壇への果物の置き方・盛り方
お仏壇に果物を置くときは、無造作にせず、仏様やご先祖様への敬意を込めて、作法を守ってお供えしましょう。
ここでは、お供え物を置くときに使う仏具の紹介や、果物の置き場所、個数、向き、頻度など気になるマナーを徹底解説します。
お供えに必要な仏具
果物は、「高杯(たかつき)」や「盛器(もりき)」という仏具を用いてお供えします。
※盛器は「供物台」と呼ばれることもあります。
高杯は、杯(さかずき)に高い脚が付いた形をしており、お供え物を乗せるための仏具です。基本的に左右一対で飾ります。盛器は、高杯より大振りでお供え物がよりたくさん乗せられるような作りになっています。盛器を用いる場合は、一対でなくても構いません。
仏具に果物を乗せてから、お仏壇にお供えします。
高杯や盛器がない場合は、大きめのお皿やお盆で代用しましょう。
果物を置く位置
果物をお供えする位置(場所)は、お仏壇の大きさや構造によって異なります。一般的には、お仏壇内部の中段または下段にお供えすることが多いです。
ミニ仏壇など、お仏壇が小型で内部に果物をお供えできない場合は、お仏壇の手前や経机の隣にテーブルや台を置いてお供えしても構いません。お供え物を床に置くことは失礼にあたりますので避けましょう。
■お仏具の飾り方について詳しくはこちら
お仏具の飾り方を、お仏壇の大きさや宗派別に図解しています。
お供え物の置き方(供え方)
向かって右側にお菓子、左側に果物を飾るといわれていますが、寺院や地域によって反対に飾ることもあり、厳密な決まりではありません。果物とお菓子がそろわない場合は、両方果物(もしくは両方お菓子)でも構いません。
気になる方は、事前に菩提寺に確認されることをおすすめします。
果物の下には半紙を敷く
果物を仏具に乗せる際は、仏具と果物の間に半紙(懐紙)を敷くことが正式な作法とされています。半紙がない場合は、白い無地の紙でも代用できます。
半紙は頂点をずらして三角に折り、頂点を自身の方へ向けて敷きます。仏様へ角を立てないという意味が込められています。
お供えする果物の数
お供えする果物の個数に決まりはございませんが、通説では「奇数」がよいといわれています。
奇数は割り切れない数字であることから、故人様との「縁が切れないように」という思いが込められています。ご進物用のお供え物を準備される際は、気に掛けるとよいかもしれません。
上記より、お仏壇に果物をお供えする際は、3個または5個がおすすめです。偶数でも「8(八)」は、漢数字の形が末広がりになっていることから、例外的に選ばれることもあります。
また、「4」「9」といった数字は「死」「苦」を連想させる「忌み数(不吉とされ、忌避される数字)」のため、避けるのが無難です。
浄土真宗では、数字による吉凶はないとされるため、個数にこだわらずにお供えして問題ありません。
果物の盛り方(向き)
お供えする果物の盛り方(向き)に決まりはありません。ヘタを上にして飾ることが多いようですが、果物によってはヘタを下にしたほうが安定性がよい場合もあるため、置きながら判断するとよいでしょう。
並べる際は、無造作にせず、仏様への敬意を込めて並べましょう。
お供え物の頻度
毎日ご飯をお供えするように、果物も毎日お供えできている状態が望ましいですが、準備が難しい場合や、果物が傷みやすい夏場などは、準備ができるタイミングだけでも構いません。
■お仏壇のお供えについて詳しくはこちら
お仏壇へのお供え物の定番である「五供(ごく)」を中心に、基本的なお供え物や供え方、タブー(供えてはいけないもの)などを具体的に解説しています。
これは避けたい!果物選びの注意点
お仏壇にお供えする果物に決まりはありませんが、お供えに適さない果物はあります。
選ぶのを避けたほうがよい果物の特徴や、夏場など果物が傷みやすい時季の対処法について解説します。
お供えに避けたほうがよい果物の特徴
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傷みやすいもの
腐りやすい・傷みやすい果物や、冷蔵保存が必要なカットフルーツなどは避けたほうがよいでしょう。
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汁や水分が出やすいもの
お仏具やお仏壇に果物の水分が付着すると、色落ちや木材が傷む原因になります。
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匂いの強いもの
ドリアンなど、匂いの強いものは煩悩を刺激するとされ、お供え物には不向きです。また、臭いものは死臭を想起させるためか、悪い霊が寄り付きやすくなるという迷信もあります。
お仏壇にお供えする果物は、ハリやツヤがあり、色鮮やかで新鮮な物を選びましょう。
作り物(偽物)の果物をお供えしてはダメ?
本物の果物をお供えすることが望ましいですが、夏場など果物が傷みやすい時期は、「作り物の果物(食品サンプル、イミテーションフルーツなど)」をお供えしても問題ありません。
はせがわではお供え物として、ちりめん細工の果物やスイーツをお取り扱いしております。一つ一つ、職人の手作業で作られています。
特に人気があるのは、ちりめん細工のスイーツ「甘美」です。「甘美」は内部に良い香りのするお香が包まれており、「香り」をご馳走として召し上がる仏様へのお供え物にぴったりです。手のひらサイズですので、置き場所も選びません。
季節に合わせて様々な種類をご用意しておりますので、一年を通してお仏壇へお飾りいただけます。
桃はお供え物に不向きって本当?
普段、お仏壇へ桃をお供えすることに問題はありません。
曹洞宗のお盆によく行われる「施餓鬼(せがき)」(または「施食会(せじきえ)」)では、桃を飾らないほうがよいとされる場合もあります。施餓鬼とは、地獄に落ちて「餓鬼」となった人に食べ物などの施しを与えるための法会(儀式)です。桃は天界の尊い食べ物とされており、厄除けの力を持っているため、桃をお供えすると餓鬼が近寄れず、施しを与えることができないと考えられるためです。
よくある質問
お仏壇にお供えする果物についてのよくある3つの質問に回答します。
Q1. お仏壇へのお供えが終わった果物は、食べてもいいですか。
A. 果物やお菓子などのお供え物は、お仏壇へのお供えが終わったら、「仏様のお下がり」として家族で食して構いません。
仏様からのお下がりをいただくことは、食べ物に困らず生活ができていることを、仏様に感謝するという意味が込められています。
下げたお供え物を必ず食べないといけないということはありませんので、抵抗がある場合は、処分しても問題はありません。
また、お供え物を下げるタイミングに決まりはありません。傷まないうちに下げることをおすすめします。ご家庭によって、数分程度お供えして下げる場合もあれば、数日お供えする場合もあります。
Q2. 果物にラップをかけたままお供えしてもいいのでしょうか。
A. 問題ありませんが、可能であればラップを少しめくり、仏様に「香り」が届くようにしましょう。
仏様は食べ物を直接召し上がるのではなく、食べ物の香りや湯気をご馳走として召し上がるといわれています。(「香喰(こうじき)」といいます。)
そのため、ラップをかけたままお供えしても問題はありませんが、できれば果物の香りが仏様に届くよう、ラップを少しめくってお供えするとよいでしょう。
Q3. 地域によってお仏壇にお供えする果物に違いはありますか。
A. 基本的にどの地域でも大差はありません。
各地域の特産物がお供えされることは多いようです。また、沖縄ではお盆の時期などに、パイナップルやドラゴンフルーツといった南国の果物をお供えするご家庭もあるようです。