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四十九日法要とは?何を用意する?|お布施・服装などのマナーも解説

四十九日法要とは?何を用意する?|お布施・服装などのマナーも解説

四十九日法要は、亡くなってあの世に行かれた故人様が無事に極楽浄土へ行けることを祈って執り行う「追善供養(ついぜんくよう)」を指します。

このページでは、四十九日法要の意味や準備方法のほか、家族のみで法要を執り行う場合など、四十九日法要について徹底解説します。
また、お布施や香典の相場や当日の服装、挨拶の仕方などの気になるマナーについてもご紹介します。

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四十九日法要とは?どうして重要なの?

読経している僧侶

四十九日法要は、葬儀後に行う儀式の中で最も重要とされる法要ですが、なぜ重要視されているのかまではご存知でない方も多いのではないでしょうか?
まず初めに、どうして四十九日のタイミングで法要を行うのか、何故重要とされるのかなど、四十九日法要に関する基本をご説明します。

そもそも四十九日とは?

  • 忌中(きちゅう)…死を穢れとする神道の考えから生まれた概念。穢れが他の人にうつらないように四十九日明けまで自粛する期間のこと。
  • 中陰(ちゅういん)…死後から次の生を受けるまでの49日間のこと。「中有(ちゅうう)」とも呼ばれる。
    ※仏教では、人生のサイクルを4つに分ける「四有」という考え方があり、中有のほか、生まれる瞬間を「生有(しょうう)」、生きている期間を「本有(ほんう)」、亡くなる瞬間を「死有(しう)」と呼ぶ。

「四十九日(しじゅうくにち)」とは、故人様のご命日を1日目とし、そこから数えて四十九日目までの期間、または四十九日当日を指します。故人様が亡くなられてから四十九日までの期間は「忌中(きちゅう)」「中陰(ちゅういん)」と呼ばれ、この期間中、遺族は故人様の死を悼み身を慎んで過ごします。
49日目に「四十九日法要」を行い、これをもって「忌明け(きあけ)」とし、遺族はこのタイミングを節目として喪に服していた期間を終えます。

四十九日が明けるまでの過ごし方

葬儀が済んだら、四十九日が明けるまではご自宅に「後飾り祭壇」「中陰壇(ちゅういんだん)」と呼ばれる祭壇を用意し、そこでご供養を行うのが基本です。弔問客があった場合にも、この祭壇の前でお参りいただきます。
祭壇には、お花やお線香が絶えないように気を配り、毎日欠かさずお参りするようにしましょう。お供え物に決まりはありませんが、故人様が生前お好きだったものや季節の果物などをお供えするのが一般的です。※宗派や地域によっては異なる場合もございます。

また、四十九日の期間中は、結婚式や正月祝いなどの慶事(祝い事)はなるべく避けて過ごすのがマナーとされていますので、できるだけ故人様のご供養に専念いただくとよいでしょう。

四十九日の意味や過ごし方についてはこちら

四十九日の意味・すること・準備の仕方

初めて四十九日を迎える方に向けて、意味やするべきことなど、四十九日の基本をお仏壇のはせがわが解説します。

四十九日法要を行う意味と重要性

  • 法要…故人様の冥福を祈ってご供養をするための仏教の儀式のこと。僧侶による読経や参列者による焼香が行われる。
  • 満中陰(まんちゅういん)…中陰(四十九日)が満ちた(=四十九日明け)ということ。

四十九日法要は、中陰が明ける(忌明け)タイミングで行われる法要であることから、「満中陰法要(まんちゅういんほうよう)」や「忌明け法要」とも呼ばれます。
法要当日は、自宅や葬祭場などの施設に親族や故人様の友達・知人を招き、故人様の冥福を祈って供養を行い、その後は皆揃って故人様を偲びながら会食をするのが基本です。

仏教では、亡くなった方はあの世で7日ごとに生前の行いを基準として審判を受け、49日目の最終審判で極楽浄土に行けるかどうかが決まるとされています。そのため本来は、裁判のタイミングごと(7日ごと)に故人様が無事に極楽浄土に行けることを祈り、四十九日が明けるまでに計7回の法要を営むのが通例でした。

■初七日から四十九日までの法要一覧

名称 読み方 日にち
初七日法要 しょなのか 7日目
二七日法要 ふたなのか 14日目
三七日法要 みなのか 21日目
四七日法要 よなのか 28日目
五七日法要 いつなのか 35日目
六七日法要 むなのか 42日目
七七日法要 しちしちにち・
なななぬか
49日目

ただし、近年では初七日の法要は葬儀と一緒に前倒しで行い、その間の法要は省略して、最も重要な最終審判が行われる四十九日の法要のみを実施する形が一般的になりました。

法要への、宗旨宗派ごとの考え方の違い

真言宗や浄土宗、曹洞宗など、ほとんどの仏教宗派では四十九日に対する考え方は共通していますが、浄土真宗では異なった考えを持ちます。また、仏教以外の神道、キリスト教では考えは異なりますが似たような意味合いを持つ儀式が存在します。
死後の世界に対する考えの違いを宗旨宗派ごとにご紹介します。

■浄土真宗

「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」と呼ばれる、人は亡くなったらすぐに極楽浄土へ行くことができる(仏様になる)という考えが基本です。浄土真宗の四十九日法要は、他の宗派のように極楽浄土へ行けるよう祈るのではなく、故人様への感謝を伝えたり、仏教の大切さを再認識したりすることを目的とされます。

■神道

亡くなられてから10日ごとに「霊祭(みたままつり)」という儀式を行い、50日目を忌明けとして「五十日祭(ごじゅうにちさい)」と呼ばれる儀式を行います。故人様の霊は死後に家の守り神となるという考えがあり、この儀式を通して自宅の神棚に迎え入れます。

仏教と同様に親族や故人様の友人・知人を招き、主に自宅や斎場、墓前で執り行う形が基本です。また、五十日祭の翌日には、神棚封じ(死の穢れで神様の力を失わないように神棚に張る白い半紙)をはがす「清祓いの儀(きよはらいのぎ)」を行います。

■キリスト教

忌明けという考えはなく、仏式のようにきっちりした決まりもありませんが、仏式の法要にあたる儀式は存在します。
キリスト教では、死は祝福すべきこととして捉え、人は天に召されると神のもとに帰る(または神に仕える者になる)という考えを持ちます。死後の儀式は、故人様を偲び、自分の気持ちにけじめをつけるための意味合いがあります。

カトリックかプロテスタントかでも異なりますが、 いずれの場合も自宅や教会で行い、儀式の後には茶話会などを開いて故人様を偲ぶ流れが多いようです。

  • 【カトリック】追悼ミサ…亡くなられてから3日目、7日目、30日目に実施。主に聖歌の斉唱や祈祷、聖書の朗読などが行われる。
  • 【プロテスタント】記念集会(記念式)…亡くなられてから1週間目か10日目、1か月目に実施。主に遺影や十字架を飾り、礼拝が行われる。

いつ何を用意する?四十九日法要の準備方法

不祝儀袋(お布施袋)と数珠、仏花、お供え物

四十九日法要の具体的な準備方法について、葬儀後から法要前日までの流れに沿って詳しく解説いたします。案内状の出し方や、法要までに用意すべきもの一式などもご紹介しています。

葬儀から1週間後~法要1か月前

日程と会場の検討

ご住職や親族と相談し、まずは法要を行う日時を決めます。本来は49日目が理想ですが、その日が平日の場合は参列者の都合を配慮し、直前の土日にずらして集まりやすいように考慮しましょう。
少人数で行う場合はご自宅、それ以外の場合は菩提寺や会館、ホールなどで行います。菩提寺の場合はお寺やご住職のご都合、会館などの場合には施設の予約状況の確認が必要です。

■四十九日法要を避けた方がいい日はある?

日程を検討する際に、避けるべき日があるのか不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
結論、四十九日法要をはじめとして、仏式の法要で避けるべき日はありませんので、仏滅や友引などの六曜は気にせず日程を決定して問題ありません。
ただし、本来の四十九日の日よりも後に法要を行うことは失礼とされています。日程をずらす際には後ろ倒しにならないよう気を付けましょう。

参列者へ連絡(案内状の送付)

日程が決まったら、参列者と連絡を取って、法要のご案内と出席の有無を確認して参列人数を把握します。近い身内だけの場合には電話で直接ご連絡する形でもOKとする場合もありますが、基本的には案内状を制作して送るのがマナーです。
先方の都合もありますので、遅くとも法要を行う3週間前くらいまでには到着するようにしましょう。

■正しい案内状の出し方はある?

四十九日法要の案内状を出す際はいくつか守るべきポイントがありますので、以下に一部をご紹介します。

  • 法要の一か月前までに届くように出す
    先方の都合を配慮して、早めに届くよう手配するのがマナーです。
  • 切手を貼った返信用はがきを封筒に同封するか、往復はがきを使用する
    法要の出欠確認が必要になるため、先方が返信しやすいように送ります。
  • 案内状の文面には「、」や「。」などの句読点を入れない
    一説には、法要が滞りなく終わることを願って、途中で区切る句読点は入れないのがマナーと言われています。

お斎(会食)の手配

  • お斎(おとき)…僧侶や参列してくださった方へのお礼として、法要の後に施主が振る舞う食事のこと。故人様を偲びながら食事をするのが基本。

参列者の人数が決まったら、法要終了後に行われる会食の手配を行います。ただし、近年はお斎を省略し、施主の挨拶後に返礼品などをお渡しするケースもあります。

■会食を行わない場合はどうすればいい?

参列者への負担を減らしたいなどの理由や、近年は新型コロナウイルスの蔓延防止などの観点から、会食を行わずに省略するケースも見られます。
ただし、参列者の中にはお斎を重要視する方もいらっしゃいます。まずは会食を省略しても問題ないかを事前に相談しておくと安心です。

会食を行わない場合は、以下のようなポイントに注意してご対応いただくといいでしょう。

  • 事前に案内状で会食を行わない旨をお知らせする
    法要後に食事がある前提で予定を組む方もいらっしゃいます。案内状で事前お知らせをしておくと丁寧です。
  • 会食の代わりとして、持ち帰れるお弁当を用意する
    会食と同等の値段のお弁当を用意しておくことで、会食を省略しても参列者へお礼の気持ちを伝えることができます。
  • 僧侶へのお食事代として、「御膳料(ごぜんりょう)」を用意する
    参列者だけでなく、僧侶にも会食を行わない旨を事前にお知らせするとともに、会食の代わりとして「御膳料」(または「御食事代」)と呼ばれる現金を用意しておきます。

不祝儀袋(御膳料・御食事代)

■法事の食事について詳しくはこちら

法事の食事とは?料理、店や自宅など会場の選び方からマナーまで解説

法事の食事とは?

法事の後にする会食について目的、費用相場やメニュー、マナーなどを解説。

僧侶の手配

法要を執り行っていただく僧侶を手配します。菩提寺がある場合には、ご住職に連絡を入れて法要をご依頼しましょう。お世話になっているお寺がない場合は、葬儀社や仏壇仏具店などに相談して僧侶をご紹介してもらいましょう。
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ご住職との打ち合わせでは、日程や送迎方法の確認、ご不安な場合には読経のお礼(お布施)の額も確認しておくといいでしょう。

お布施のマナーについて、詳しくは<こちら>の項目を参照ください。

【既にお墓をお持ちの場合】納骨法要の手配

既にお墓を持っていて、四十九日のタイミングで納骨も行う場合には、納骨法要の手配も必要です。お墓がお寺にある場合はご住職、霊園などにある場合は管理事務所にご連絡を入れて手配を行いましょう。

■四十九日に納骨しない場合はどうする?

四十九日までにお墓の準備が間に合わない場合や、心の整理がつかない場合などには、四十九日のタイミングでの納骨が難しいという方もいらっしゃるかもしれません。
その場合、百箇日や一周忌、お彼岸など、四十九日とは別のタイミングで改めて納骨法要を行っていただき問題ありません。なお、その際には改めて納骨式を執り行う必要があります。お墓が出来上がったら早めに日程の検討や僧侶の手配を行いましょう。

四十九日法要に必要なものを手配

  • 魂入れ(たましいいれ)…ご本尊(お仏像)やお位牌、お墓などの手を合わせ対象である「礼拝仏具(らいはいぶつぐ)」に対して、読経を行うことで魂を宿らせる儀式のこと。

四十九日法要では、「魂入れ(たましいいれ)」「開眼供養(かいげんくよう)」と呼ばれる儀式が行われるため、法要までにお経上げが必要なものを一式手配しておく必要があります。
初めてお悔みがあったご家庭の場合には、四十九日以降のご供養の場を設けるために、お仏壇やお墓のご準備も必要になります。
四十九日までに必要なものをご紹介します。

必ず手配が必要なもの:本位牌(または過去帳、法名軸)
漆塗りの本位牌
本位牌
見台に乗った過去帳
過去帳
法名軸
法名軸

位牌は、故人様の霊魂が宿る依代(よりしろ)であり、手を合わせる対象となる重要なお仏具です。ご戒名(仏様の世界における新しいお名前)や没年月日、ご俗名(生前のお名前)などが記されます。

四十九日中に後飾り壇へお祀りする白木位牌は仮の依り代とされ、四十九日以降にお祀りするお位牌を「本位牌(ほんいはい)」と呼びます。四十九日法要で魂入れを行うことによって、白木位牌に宿っていた故人様の霊が本位牌へと移り変わりますので、本位牌の手配は法要までに必ず間に合わせる必要があります。

ご宗派によってはお位牌ではなく「過去帳(かこちょう)」「法名軸(ほうみょうじく)」の場合もあります。詳しくは菩提寺へご確認ください。

■お位牌の作成について

故人様の象徴となる存在になり、生前のお人柄やイメージに合ったデザインで作成いただく形が主流です。デザインは、漆塗りの黒い位牌(塗り位牌)か、木目調の位牌(唐木位牌)が主流ですが、近年はモダンなデザインのお位牌も増えてきています。
お位牌の作成(お位牌への文字入れ)は、一般的にご注文いただいてから実際のお渡しまで大体2週間ほどかります(弊社で承る場合)。なるべく余裕を持ってご依頼いただくことをおすすめします。

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お仏壇・お墓をお持ちでない場合:お仏壇とご本尊・脇仏(お掛軸)、お墓(納骨先)の用意
仏具が一式飾られたお仏壇
お仏壇
ご本尊(お仏像)と脇仏(お掛軸)
ご本尊(お仏像)・脇仏(お掛軸)
洋型のお墓
お墓

四十九日以降のご供養の場として、お仏壇と納骨先(お墓)を準備する必要があります。

お仏壇をご用意する際は、お参りの道具のほか、礼拝仏具である「ご本尊(ごほんぞん)」と呼ばれるお仏像と、「脇仏(わきぶつ)」と呼ばれるお掛軸も準備が必要です。お位牌と同様に、魂入れをすることで初めて手を合わせる対象になります。こちらも法要までに用意しておきましょう。
お墓の用意は、お墓の形態によっても異なりますが、手配までにかなり時間がかかります(屋外の一般的なお墓の場合は、墓地の見学からお墓の完成までに2~3か月程度)。法要までには間に合わないことが多いですが、少しでも早くご納骨できるように早めに検討を始めましょう。
お仏壇・お仏具の商品ページはこちら
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既にお墓をお持ちの場合:墓誌の追加彫刻の手配

四十九日法要と一緒に納骨法要を行う場合は、ご先祖様のご戒名や没年月日、俗名などが刻まれた「墓誌(ぼし)」への追加彫刻を済ませておく必要があります。
追加彫刻は、お墓を作った時の担当石材店や施設の管理事務所などに依頼する必要があり、ご注文から大体3~4週間程度かかるため(弊社で承った場合)、余裕を持ってご準備いただくと安心です。

法要1か月前~法要3週間前

引き出物の手配

四十九日法要では、香典返しとは別に引き出物を用意して参列者にお渡します。その際の水引は黒白または双銀の結び切りを使用し、表書きは「粗供養(あらくよう)」「志(こころざし)」「満中陰志(まんちゅういんし)」などとする形が通例です。
※デパートなどでの購入時に、表書きが印刷された掛け紙(のし)をつけて包装してもらえることが一般的です。

卒塔婆の手配

  • 卒塔婆(そとうば・そとば)…故人様のご供養のためにお墓に立てる、文字が書かれた木製の細長い板。

浄土真宗以外の宗派では、法要の際に施主と参列者が「卒塔婆(そとうば)」を立てます。お寺やお墓の形態によっても異なりますので、菩提寺がある方はご住職、霊園にお墓がある方は管理事務所へ事前に必要か、また塔婆料(費用)も確認を取りましょう。

法要前日まで

【お墓をお持ちの場合】お墓の掃除

既にお墓をお持ちで、四十九日の際に納骨法要も行う場合は、事前にお墓の掃除もしておきます。墓石が経年劣化してしまっている場合には、石材店などに依頼して墓石のクリーニングも検討しておくといいでしょう。

法要当日の施主の挨拶を検討

法要では、開式や閉式のタイミングで施主からの挨拶を行います。当日に考えるのは大変ですので、事前にどんな内容を話すかを検討しておきましょう。
挨拶のマナー(挨拶例文)について詳しくは<こちら>の項目をご参照ください。

法要会場の席次や焼香の順番を検討

会場の席次や焼香の順番も重要なポイントになります。故人様との関係性を基準として事前に検討しておきましょう。

【法要の席次】

法要の席には上座と下座があります。上座(最上座の主席)に僧侶、その次に親族や故人様の友人など親しかった順に参列者が座り、下座の末席に施主とその家族が座る形が通例です。(僧侶をもてなすために、施主や親族長老が僧侶に近い上座に座ることもあります)
席決めに迷った時は、年長者から順に上座をおすすめするといいでしょう。

【お焼香の順番】

逆に、お焼香の順番は血縁関係が深い人から順番に行うのが通例です。ただし「自分の方が関係が近いのに後回しにされた」と感じる方が出てしまうと、のちのちのトラブルに発展する場合もありますので、事前に話し合いを行っておくと安心です。

献杯者の検討

会食前に行う、故人に杯を差し上げるための「献杯(けんぱい)」の挨拶をする方を決めておきます。親族の中でも代表的な方(家長や故人の兄弟など)が行うのが一般的です。代表者がいない場合には他の挨拶と同様に施主が務めます。

四十九日法要当日の流れ・持ち物

数珠を持っている参列者

ここまで四十九日法要までの準備の流れをご解説して参りましたが、それでは法要当日は具体的にどのような流れで進むのでしょうか?
四十九日当日の流れと、当日に持って行くべきものをご紹介します。

四十九日法要の当日の流れ

納骨や会食を行うかどうかによっても流れは異なりますが、一般的な四十九日法要の流れは以下の通りです。

1.一同着席

着席して僧侶を待ちます。席次は、上座に僧侶と参列者、下座に施主と家族とする形が一般的です。また、僧侶をもてなす意味で、施主もしくは親族の長老が僧侶に近い上座に座ることもあります。

2.僧侶入場・開式の挨拶

僧侶の入場後、忙しい中で参列いただいたことへのお礼などを交えて、施主が簡単に開式の挨拶を行います。

3.読経・焼香

挨拶後には僧侶による読経と、参列者による焼香(お香を焚いて故人様や仏様を拝む行為)が行われます。焼香は最初に施主が行い、その後は血縁の深い順に一人ずつ行う場合が一般的です。実際の焼香のやり方やお香を掲げる回数などは、宗派によっても異なりますのでご注意ください。

4.僧侶による法話・中締めの挨拶

焼香が終わると、僧侶による法話が行われます。内容は僧侶によって異なりますが、忌明けに絡めて、仏教の教えに基づいたお話をしていただけます。法話後に、施主は一度中締めの挨拶を行います。

5.納骨式・お墓参り

四十九日法要のタイミングで納骨も行う場合は、焼香が終わったタイミングで納骨式やお墓参りを行う流れが一般的です。納骨の際は「埋葬許可証」が必要になりますので忘れず持参しましょう。

6.献杯の挨拶・会食(お斎)

一通りの儀式が終わったら、親族の代表者やが会食の案内と「献杯(けんぱい)」※の挨拶を行い、その後全員で会食(お斎)を行います。僧侶もお誘いしますが、もし辞退された際にはお食事代として「御膳料」をお渡しします。
※故人様を悼んで杯を献上すること。

7.施主の挨拶・引き出物を渡して閉式

最後に施主から閉式の挨拶を行い、用意しておいた引き出物を参列いただいた方に渡して閉式となります。

当日の持ちもの

法要当日の持ちものは、施主と参列者で大きく異なります。一般的な持ち物をご紹介します。

【施主側】
  • 数珠 
    ※数珠は貸し借りNGとされていますので、必ず1人につき1つを持参します。
  • 魂入れの対象となるもの…白木位牌と本位牌(または過去帳・法名軸)
    ※新たにお仏壇をご用意した場合は、ご本尊・脇仏(掛軸)も持参します。
  • 僧侶へのお礼…お布施
    ※施主が送迎を行わない場合は御車代、僧侶が会食を辞退された場合は御膳料も別途必要です。
  • 法要を営むにあたり必要なもの…ご遺骨、ご遺影、引き出物(返礼品)、お供え用の花など

※四十九日法要と一緒に納骨を行う場合は、「埋葬許可証」も必要です。そのほか、法要会場によってはお供え物、ローソク、お線香、抹香、焼香用香炉、おりん、導師用座布団なども必要になる場合があります。

【参列者側】
  • 数珠
  • 香典・ふくさ(場合によってはお供え物も)
  • ハンカチ(シンプルなデザインのもの)

数珠

■四十九日法要のお供え物はどう渡す?

前提として、香典を持参するのであればお供え物は不要とする形が一般的です。しかし、故人様と生前に親しかった場合や、両方お渡しするのが地域の慣習である場合などには、お供え物もお渡しする場合があります。

その際には、お線香やローソク、菓子折りや飲み物など、後に残らない「消えもの」かつ常温でも日持ちする品物を選ぶのが基本です。
「のし紙(掛け紙)」と呼ばれる包装紙はを黒白または相銀の結びきりの水引がついたものを使用し、表書きは「御仏前」または「御供」とし、その下には贈り主の氏名を濃い墨色で書くのがマナーです。
※四十九日が明けるまでは「御霊前」と書きますが、四十九日法要以降は全て「御仏前」となります。

お布施の相場相場は?適した服装など遺族・参列者の正しいマナーを解説

数珠を片手に合掌している参列者

四十九日法要には、僧侶へのお布施相場や遺族と参列者の服装など、気を付けたいマナーが様々あります。ここでは、ご質問をいただくことが多い、四十九日法要に関するマナーを一挙解説いたします。

四十九日法要のお布施に関するマナー

不祝儀袋と現金、ふくさ

「お布施」とは、僧侶へのお礼の気持ちを伝えるための金銭のことで、四十九日法要におけるマナーの中でも取り分けご質問をいただくことが多いものです。以下に、お布施の相場と、具体的な用意の仕方に関するマナーをご紹介します。

お布施の費用相場

四十九日法要のお布施は「葬儀でお渡ししたお布施額の10~20%程度」が目安とされ、一般的な葬儀代は30万円~50万円程度とされております。四十九日法要の費用相場は3~5万円程度と言えます。また納骨法要も同時に行う場合には、全体で5万~10万円程度が相場とされます。
ただし、僧侶へのお礼としてお渡しするもののため絶対的な決まりはなく、お寺や地域によっても大きく異なります。ご不安な場合はご近所の方にご確認されると安心です。

場合によっては交通費(御車代)やお食事代(御膳料)も別途ご用意する必要がある場合もあります。その際の相場は、それぞれ5,000円~1万円程度が目安とされます。(宿泊の有無や会食の内容によっても変動します)

お布施袋の種類・書き方

■お布施を入れる袋の種類

お布施を入れる袋は大きく分けて2種類あり、「奉書紙(ほうしょがみ)」と呼ばれる和紙か、無地の白封筒に入れてお渡しする形が基本です。

  • 奉書紙(ほうしょがみ)…昔から公文書などでも用いられてきた和紙のこと。現在では、主にお布施を渡す際に使用される。

一般的には、現金を半紙で包み、その上から奉書紙で包んでお渡しする形が丁寧なマナーです。しかし、奉書紙が手に入らず用意が難しい場合などには、簡易的な渡し方である白封筒でも対応することができます。その際には、不幸の重なりを連想させる二重封筒は使わないように気を付けましょう。
水引(飾りひも)は故人様へのご供養の気持ちを表すためのものですので、僧侶へのお礼であるお布施を入れる包みには不要とされています。

※お寺や地域の慣習によっては、白黒や黄白の水引を使用する場合もございます。

不祝儀袋(御布施)

■表書きの仕方

四十九日法要のお布施の表書きの仕方

表書きは、普通の濃さの墨(筆ペンなど)を使用して「お布施」または「御布施」と書き、その下には必ず施主の姓名も書きます。

「お布施」は僧侶へのお礼としてお渡しする金銭の総称ですので、四十九日法要と納骨法要を同時に行う場合にも、1つの封筒にまとめていただき問題ありません。

ただし、以下のようなお礼以外の金銭については、別途不祝儀袋を用意するようにしましょう。

  • 会場までの交通費…「御車代」
  • 会食を辞退される際のお食事代…「御膳料」

■裏書きの仕方

四十九日法要のお布施の裏書きの仕方

裏書きは、封筒の左下に連絡先(住所や電話番号)と金額を記載します。中袋があるタイプの場合は外包みには書かず、中袋の表面に金額、裏面に住所や氏名などを書きましょう。
その際、金額は縦書きかつ旧字体の漢数字を使用し、頭に「金」・末尾に「圓(えん)」とつけて書くのがマナーです。
【例:3万円の場合…金参萬圓】

お札の入れ方

■お札の新旧

不祝儀袋に入れるお札は新札を用います。葬儀におけるお香典などでは、「不幸に対してあらかじめ準備していた」という意味に繋がることから古いお札を使用するのがマナーですが、四十九日法要の場合は準備期間がありますので、新札で問題ございません。

■お札の入れる向き

お札を入れる際には、開封した時にお札の肖像画が見える向きで入れる形が基本です。お札を複数枚入れる場合には、全て向きが揃った状態に入れるように気を付けましょう。

お布施の渡し方

お布施は、「袱紗(ふくさ)」と呼ばれる、ご祝儀袋や不祝儀袋などの贈り物を包むための布に包んで持ち歩くのが丁寧な形です。
僧侶にお渡しする際は、ふくさからお布施の袋を取り出し、「切手盆(きってぼん)」と呼ばれる黒塗りのお盆に乗せて、僧侶側から文字が読める向きでお渡しします。素手で直接お渡しすることは失礼にあたりますので気を付けましょう。
お渡しする際は、「本日は誠にありがとうございました」など法要のお礼の言葉も添えるのが基本です。

袱紗(ふくさ)

四十九日法要の服装に関するマナー

喪服を着用した人物

法要での服装は、黒い服であればなんでもOKという訳ではなく、「喪服」を着用するのが通例です。喪服は、正喪服・準喪服・略式喪服の3つに格が分かれます。場面に応じた使い分けが必要です。
四十九日の法要まではある程度の準備期間がありますので、法要当日までにしっかりマナーを把握しておき、故人様に失礼がない服装で式に臨むようにしましょう。

施主・遺族側の服装

施主は「正喪服」、施主以外の遺族は「正喪服」または「準喪服」を着用するのが基本です。近年は正喪服を持つ人が減っていることもあり、施主も準喪服を着用する傾向にあるようですが、原則として、参列者よりも格が一段上の喪服を着用するのがマナーです。

正喪服(せいもふく)

正式喪服とも呼ばれる、喪服の中で最も格式が高い服装のこと。四十九日法要の施主、または三親等までの親族が着用します。

【男性】

  • 和装…紋付羽織袴、黒の羽二枝、五つ紋※が入った羽織
  • 洋装…黒のモーニングコート、白のレギュラーカラーシャツ、控えめなコールズボン、黒で統一したネクタイ・ベスト・靴・靴下

【女性】

  • 和装…染め抜き五つ紋が入った黒無地の着物
  • 洋装…ブラックフォーマル(黒のワンピースやツーピースなど)。露出がなく身体のラインが強調されない服が基本

※五つ紋…背中、袖、両胸元の五か所に入った紋のこと。

準喪服(じゅんもふく)

一般的な喪服を指し、通夜や葬儀、四十九日法要などあらゆる弔事で着用が可能です。主に施主以外の遺族が着用しますが、近年は施主でも準喪服を着用するケースが増えています。

【男性】

ブラックスーツ(シングルまたはダブル)、白のワイシャツ、光沢のない黒で統一したネクタイ・靴・靴下

【女性】

ブラックフォーマル(ワンピースやアンサンブル、スーツ ※パンツスーツも可)。無地ではなくレースなどの飾りがついた服でも可
※リクルートスーツやビジネススーツとは別物です。着回さないように注意しましょう。

遺族以外の参列者側の服装

遺族以外の参列者は、遺族よりも格式の高い喪服を着ることはよくないとされており、「略式喪服」を着用するのが基本です。

略式喪服(りゃくしきもふく)

最も格式が低い喪服のこと。色やデザインの自由度が高く、ブラックフォーマル以外の黒や紺、グレーなどの地味な色味の服装を指します。遺族や親族よりも格式の高い喪服を着るのはNGとされているため、主に遺族以外の参列者が着用します。そのほか、施主側から平服を指定された場合や、急な弔問、四十九日法要以降で着用します。

【男性】

ダークスーツ、白無地のシャツ、黒無地の靴下、地味な色の靴(黒でなくても可)

【女性】

落ち着いた色のワンピースやアンサンブル、スーツ(パンツスーツも可)

殺生をイメージさせるような、毛皮や動物の皮と分かる革を使用したものは避けましょう。また、光沢のある装飾品も弔事の場ではNGとされています。
そのほか、肌の露出が高くなりすぎないように注意しましょう。

■法事の服装について詳しくはこちら

法事の服装について

法事の服装のマナー解説

3つの喪服の種類、法事ごとに着用する喪服について男性・女性・子ども別に解説。

四十九日法要の挨拶に関するマナー

法要受付で挨拶する人物

四十九日法要では、流れの中で遺族である、施主または喪主が挨拶する場が何度かあります。また、参列者側も、受付の際や会食時に遺族と接する際などで挨拶するケースがあります。相手にとって失礼にならないよう、正しいマナーやかける言葉の例を把握しておきましょう。

施主・遺族側の挨拶

遺族側は、主に施主側が挨拶を行います。主なタイミングは、法要の開式挨拶、法話後の中締めの挨拶、会食前の挨拶、お開きの挨拶の4回ですが、式の内容によっては異なる場合もあります。

法要の初めの挨拶
初めの挨拶は、参列してくださった方に対する感謝と、読経いただく僧侶のご紹介が基本です。

【挨拶例】

「本日はお忙しい中、亡き〇〇のためにご列席いただき、誠にありがとうございます。 これより、故〇〇の四十九日法要を執り行わせていただきます。 本日の導師は、〇〇寺のご住職である〇〇様にお願いしております。 (僧侶に向かい)それでは〇〇様、よろしくお願いいたします。」

中締めの挨拶

僧侶による法話が終わったら、改めて参列してくださったことへのお礼をお伝えし、その後の納骨式や会食のご案内をします。

【挨拶例】

「本日はご多忙の中、亡き〇〇の四十九日法要にお集まりいただき、誠にありがとうございました。おかげさまで無事に法要を終えることができました。この後は、墓地に移動して納骨式を執り行います。その後はささやかな席をご用意しておりますので、今しばしお付き合いいただければと思います。本日は誠にありがとうございました。

会食前(献杯)の挨拶

施主から参列者に向けて、挨拶をする方のお名前や故人様との間柄をご紹介します。「献杯」は、乾杯とは異なり故人様を偲ぶためのものですので、杯は打ち合わせず、静かに唱和に行うのがマナーです。

【挨拶例】※以下は、故人様の兄としての一例です。

「故人の兄の△△と申します。本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございました。お陰様で無事に忌明けを迎えることができ、父も安心していることと思います。心ばかりではございますが、別席にてお食事をご用意しております。お時間の許す限り、どうぞごゆっくりお過ごしください。」

お開きの挨拶

会食後1~2時間が経ったら、最後に締めの挨拶を行います。参列者への感謝と、故人様への想いをお伝えし、引き出物のご案内をします。なお、会食などを行わない場合には、法話が終わった後にすぐ閉会挨拶となります。

【挨拶例】

「本日はご多忙中にも関わらず、最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。皆様と父の思い出話をすることができ、父にとっても何よりの供養になると思います。
なごりはつきませんが、終わりの時間が近づいて参りましたので、これにてお開きとさせていただきます。父が亡くなり寂しさも感じておりますが、これからも変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。
心ばかりのものをご用意させていただいておりますので、お持ち帰りくださいませ。本日は誠にありがとうございました。」

参列者側の挨拶

参列者も、主に遺族に対する挨拶を行うタイミングがあります。挨拶の内容は、招待いただいたことへのお礼と、遺族に対する気遣いの言葉が基本です。

受付における挨拶例

【挨拶例】

「本日は、お招きいただきありがとうございます。心を込めてお祈りをさせていただきます。」

法要が終わった後の挨拶例

【挨拶例】

「本日はお招きいただきありがとうございました。とても温かいお式でした。故人様も安心されたと思います。皆様、どうぞお元気でお過ごしください。」

弔事の場における挨拶は、いくつか気を付けるべきマナーがあります。以下に一例をご紹介します。

  • 長すぎる挨拶は避けて簡潔に話す
    長すぎる挨拶は参列者に対して迷惑になります。事前に話す内容を簡潔に整理しておき、長くても5分以内に収まるようにしましょう。
  • 「忌み言葉」は使わない
    弔事では、不幸が重なることやマイナスイメージを連想させるような言葉は縁起が悪いとされます。挨拶状などでも使用しないように気を付けましょう。
    【例:重ね重ね、くれぐれ、度々、苦しむ、迷う、数字の4(死)・9(苦)など】
  • 故人様の失敗談や欠点には触れない
    故人様が身近な関係だった場合でも、生前の失敗談や欠点に触れるのは失礼にあたります。基本的には触れないようにしましょう。

四十九日法要の返礼品(引き出物・香典返し)に関するマナー

香典返し(満中陰志)

四十九日法要では、参列者の方からいただいた香典やお供えに対するお礼として、返礼品をお渡しするのがマナーです。返礼品には2種類あり、お供え(法要当日に参列する方からいただいたもの)に対するお礼を「引き出物」、香典(葬儀~四十九日までの期間中にいただいたもの)に対するお礼を「香典返し(こうでんがえし)」と呼びます。
以下に、品物の選び方や費用相場をご紹介します。

品物を選ぶポイント

引き出物も香典返しも、基本的には食品や消耗品などの「消えもの」が望ましいとされます。また、持ち帰りやすいように軽くコンパクトで、常温で長持ちする品物がよいでしょう。
例としては、個包装された菓子折りや海苔などの食品、石鹸や洗剤などの日用品がメジャーです。近年は、商品券やカタログギフトなどの相手が自由に品物を選べるタイプのものも人気があります。

法事ギフト

返礼品の費用相場

返礼品の相場は、いただいたお香典やお供えの1/3~1/2程度(半返し)を目安とするのが一般的です。ただし、法要後に振る舞うお斎(会食)の用意費用も踏まえた金額を用意する形が多いため、実際には2,000円~5,000円程度が費用相場と言えるでしょう。

返礼品の包み方・表書きの仕方

返礼品の包装には、黒白または双銀の結び切りの水引を使用します。表書きは、濃い墨色で「粗供養(あらくよう)」「志(こころざし)」「満中陰志(まんちゅういんし)」のいずれかとし、その下には施主の氏名を書く形が通例です。
※近年は、表書きが印刷された掛け紙(のし紙)をつけた包装紙を用いる場合が一般的です。

家族のみで四十九日法要を行う場合はどうする?

少人数での法要(会食)

新型コロナウイルスの影響もあり、家族や身内だけの少人数で四十九日法要を行いたいという方も増えています。
最後に、家族だけの四十九日法要と通常の法要での違いや、香典やお布施に関するマナーをご紹介します。

そもそも、家族のみで四十九日法要を行ってもいいの?

結論として、家族や身内だけの少人数で四十九日法要を行っても問題はありません。
四十九日法要は、葬儀後に行う最初の重要な法要であることから、葬儀と同じく盛大に行うべきというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、本来の四十九日法要は、家族や親族をはじめとして、故人様の知人・友人などの限られた範囲の方をお招きして執り行う形が通例のため、小規模での集まりであっても失礼にはあたりません。法要なしで偲ぶ会として行う場合もあります。

ただし、後からトラブルになってしまうこともありますので、親族や故人様と親しかった方に対しては、身内のみで行う旨を事前にお伝えしておくと安心です。

家族のみの四十九日法要における特徴

家族だけで四十九日の法要を行う場合にも、基本的な内容は通常の法要と変わりません。しかし、身内だけということもあり、場合によっては通常よりもマナーが寛容であるケースも見られます。
以下に、家族のみの四十九日法要における特徴をピックアップしてご紹介します。

■挨拶を省略する場合がある

通常の四十九日法要では、法要の始めや終わりに施主から参列者に向けて挨拶を行いますが、家族や身内だけで式を行う場合には挨拶を省略する場合があります。完全に省略することもあれば、通常よりも内容を簡略化して手短に挨拶することもあります。
しかし、僧侶を招いて法要を行う場合には、僧侶に向けた挨拶は省略せず丁寧に行うよう注意しましょう。

■お斎(会食)の自由度が高くなる

本来の四十九日法要におけるお斎(会食)では、肉や魚を使用しない精進料理や、和食中心のお店を選ぶのが基本とされています。
家族のみの法要の場合は、食事の内容を制限せずに故人様がお好きだったお店を選ぶ、会食自体を省略するなど、食事に関する自由度が高くなるケースも見られます。

■平服や私服の参列でもOKな場合がある

家族のみの場合であっても、基本的には通常と変わらず準喪服以上のものを着用するのがマナーです。
僧侶を招かず完全に家族内だけで行うといった場合には、私服での参列でもOKとする式も見られます。

家族や身内のみで四十九日を行う場合に関する、よくあるご質問

以下に、身内のみで四十九日法要を行う場合についてよくお寄せいただく質問をまとめました。疑問や不安がある方は是非ご参考になさってください。

Q1.家族のみで行う法要でも、香典やお供え物は必要でしょうか?

A.身内のみの場合も香典は用意するのが通例ですが、お供え物は不要であることが多いです。

身内のみであっても、通常の法要と基本的なマナーは変わりません。案内状に香典不要の記載がない限りは、香典はご用意いただくのが基本です。
【香典の相場:5,000円~3万円程度】
お供え物についても、通常の法要と同様に、香典を持参するのであればお供え物は不要とする場合が一般的ですが、先方との関係性や地域の風習などによっては手土産としてお供え物もお渡しする場合があります。

Q2.身内のみを招待する予定であれば、法要の案内は案内状以外の形式で行っても問題ないでしょうか?

A.一般的には案内状を用いる形式が基本ですが、近年は電話やSNSでご案内するケースも見られます。

小規模の法要であっても、はがきや封書による案内が丁寧なマナーではありますが、限られた範囲の方のみをお招きする場合には、近年は電話やメール、SMS(LINEなど)でのご案内でも問題ないとする意見もあります。
ただし、相手が目上の方であったりする場合には失礼だとされてしまう場合が多いため、最終的に問題ないかどうかはよく検討した方がいいでしょう。

Q3.通常の法要よりも小規模な法要になりますが、お布施の額に違いはあるのでしょうか?

A.基本的に、法要の規模によってお布施の額が変わることありません。

葬儀の場合は、規模によっては僧侶の人数が増える場合があり、大規模になるとその分お布施代も上がりますが、法要については僧侶は1人が基本になります。小規模であっても通常のお布施額と同様になります。

Q4.身内だけの四十九日の場合は、僧侶を手配しなくても問題ないのでしょうか?

A.菩提寺がない場合には、僧侶を手配せず四十九日を行っても問題はありません。

近年は、宗旨や宗派を定めず供養を行いたいというご意向がある場合などには、「お別れ会」や「偲ぶ会」といった、法要とは別の形式で式を執り行うケースも増えています。
ただし、この場合は仏式の法要という形ではなくなるため、新たにお位牌やお仏壇などをご用意された際には、別途お寺に「魂入れ(開眼供養)」を依頼する必要がありますのでご注意ください。

普段お世話になっているお寺(菩提寺)がある場合には、事前にご相談してお寺に了承を得ておく必要があります。そのほか、ご親族の中にはやはり四十九日はきちんと法要を行うべきという考えをお持ちの方もいらっしゃる場合がありますので、ご親族にもご相談や事前説明をしておきましょう。

上記以外にもご不明点やお悩みがございましたら、お近くのはせがわ店舗、またはオンラインでお気軽にご相談ください。ご供養のプロフェッショナルであるはせがわスタッフがお答えさせていただきます。
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