どうやる?お参りの基本の流れ
はじめてお仏壇を用意した・実家のお仏壇の引越し(継承)をしたなどで「日々なにをしたらいいのかわからない」と思う方も多いはずです。ここでは、よくおこなわれる毎日のご供養を紹介します。
お参りの基本的な流れ
- 朝の場合は顔や手を洗い、清める
- 仏様に向かって一礼する
- ほこり・汚れなどがあれば掃除をする
- 仏飯(炊いた米)を供える
- お水・お花・お供えをそなえる
- ローソクに火を灯す(ライター・マッチ)
- お線香に火をつける
- おリンを鳴らす
- 数珠がある場合は手にかける
- 合掌する
- 読経する場合は各宗派のお経にて行う
- ローソクを消す
各項目について詳しく説明もありますので、知りたい内容をクリック(タップ)してください。
よくある質問
Q. 「お参りはいつ、何回ですか?」
A. タイミングや回数に決まりはありません。仕事・子育てなど生活習慣により様々にされています。お参りできる時にしましょう。いつでも・何回されても問題ありません。
朝・夕にお参りされる傾向にあります。
Q. 「数珠はどう持ちますか?」
A. 宗派を問わない略式の数珠であれば、左手の親指と人差し指の間にかけるようにして持つことが一般的です。
宗派ごとの数珠は持ち方が決まっています。事前に確認をしておくとよろしいでしょう。
数珠の持ち方を種類別・宗派別に図解で解説します。
Q. 「お掃除のタイミングはありますか?」
A. 決まりはありません。お参りの前・日中などのタイミングでされています。
毛払い(毛はたき)でほこりを払い、汚れが気になる場合にはクロスで掃除をします。
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専門の業者によるクリーニングをすることもできます。お近くの はせがわ にて、まずはご要望のご相談ください。見積のご提示もできます。
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Q. 「お参りする際に手を合わせます。この合掌にはどのような意味がありますか?」
A. 合掌は元々は右手は清浄なもの、左手は不浄なものというインドの礼法が由来です。仏教でも同様に、右手を仏様(浄土の世界)、左手を自分(迷いに満ちた現世)に例え、手を合わせることで2つの世界が一体になり、成仏を願う気持ちや調和を表しているとされます。
また現在では、相手への敬いや感謝の気持ちを表す礼法としてもされています。
お参りにはどんな意味があるの?
お仏壇にはお参りをするもの、というイメージがあります。しかしなぜするのかを考えることは少ないかもしれません。 ただの習慣とするのではなく、お参りの意味を知り敬い・感謝の気持ちをもって臨むのがよろしいでしょう。
故人様と会話をする場
お仏壇はお寺をミニチュア化したものと考えられています。そのお寺は仏様がいらっしゃる世界(お浄土)を模しています。
お仏壇は、あちらの世界にいる故人様と繋がりをもてる場といえます。「おはよう」など挨拶・今日の出来事・喜び・悲しみ・明日あること…居間(リビング)で語り合うように会話をしてはいかがでしょうか。
ご先祖様へ感謝をする場
今私たちが生きているのは、命を繋いでくださった数多くのご先祖様のおかげです。
家族が元気でいること・日々成長できること・健康であることの有難みを感じることができます。その感謝や敬意の気持ちをこめてお仏壇にお参りしましょう。
よく扱う、お仏具の使い方を説明
ここでは普段使うお仏具の使い方・注意点などを説明します。 お仏具について詳しくは解説ページ(お仏具の種類一覧)もご覧ください。
ろうそく(灯明)
ローソクの光は仏様の智恵の光を表しています。人々の心の闇を照らし出し、救済しようという働きがあると考えられています。また、仏様のいる世界へとのかけはし(道しるべ)・仏様を照らすともいわれます。
そのためお線香に火をつける際には、ローソクから火をいただくのです。
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お参り後はローソク消し・うちわに似た仏扇(ぶっせん)などで火を消します。息を吹きかけて消してはいけません。私たちの息は不浄のものと考えらており失礼にあたります。
スーパー・ホームセンター・仏壇仏具店・百貨店などでも購入できます。種類やサイズを検討する際には、取扱い数が多く相談もできる仏壇仏具店がおすすめです。
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ローソクの種類はなにがある?
大量生産できるためよく使用されている石油系原料を主とする洋ローソク、櫨(はぜ)という植物原料を主とす和ローソクに大きく分かれています。ハゼロウは「ジャパンワックス」ともいわれ、長時間美しいゆらめきと油煙・ススが出にくい特徴があります。
花の絵柄を入れた絵ローソクも贈答品としても人気があります。その他にビール・お菓子を模した好物ローソク、ペットや老人ホームなどでも安心の電子タイプローソクなどもあります。
ローソクのサイズって?
サイズに決まりはありません。5分・10分から100分など様々な燃焼時間があります。ローソクは、火立よりも小さなサイズが望ましいです。台座部分が小さい場合、上のローソクが大きいとぐらつくなどバランスが取りにくい可能性があります。
法事で使用する際には、読経時間分(40分程度)は燃焼するサイズが望ましいでしょう。浄土真宗では赤い朱ローソクを使用することがありますので、事前にお寺に確認しましょう。
お線香
お線香を焚く理由は、香りや煙がご先祖様・故人様の食べ物になる(香食(こうじき)という)、お参りする人・空間を清める(邪念を払う)、ご先祖・故人様と繋ぐかけはしになることです。
故人様の好きな香り、いいお線香などを選んでさしあげるとよろしいでしょう。一日に何回あげるなどの明確な決まりはありません。
お線香の意味について詳しくはこちら>>
宗派 | 本数 | 立てる / 寝かす |
天台宗・真言宗 | 3本 | 立てる |
臨済宗・曹洞宗・日蓮宗 | 1本または2本 | 立てる |
浄土宗 | 1本 | 2つに折り立てる |
浄土真宗 | 1本 | 2つに折り寝かせる |
※地域やお寺によっても異なる場合があります。
本数の意味(由来)は?
3本
仏教で大切にしている「三宝(仏・法・僧)」に因む、「三世(過去・現在・未来)」すべてを供養する、煩悩といわれる「三毒(貪・瞋・癡)」を滅する、「三業(身・口・意)」を清めるなどから3本にしているともいわれます。
お仏壇側に2本、自分側に1本で逆三角形を作るように立てます。
1本
寺院では1本の線香の燃焼時間を修行をする時間の目安であったことに由来するといわれています。
寝かせる
お線香がない時代は、常香盤(じょうこうばん)という香炉に抹香(まっこう・粉末のお香)が使用されていました。浄土真宗はその風習があり、自宅のお線香も寝かせているとされます。
火のついた側を左にする傾向があります。
お花
花は仏様の慈愛と忍耐を表現していると考えられています。
毎日交換する必要はありませんが、枯れた状態にならないようにしましょう。仏花以外にも故人様の好きだったお花を供えるのもよろしいでしょう。トゲやツル、香りの強いものは避けます。
日持ちのしない時(夏・冬の暖房による乾燥)は造花も選ばれています。
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おリン
音色は荘厳な雰囲気をつくり、強く長く響く音によって邪念を払い、お参りする人の心を鎮める意味があります。お経の初め・終わり、合間にリズムをとるためにも鳴らします。音程を取っているともいわれます。
故人様にお参りにきたことを伝える意味もあります。
真上からではなく、横からたたくとよい音色になります。
「鈴(りん)」「鏧(きん)」「小鏧(しょうきん)」「鐘(かね)」とよぶこともあります。
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宗派 | 回数 |
真言宗 | 2回(2回目を少し強めに叩く) |
曹洞宗 | 3回または2回 |
浄土宗・浄土真宗 | 主に読経時のみ |
読経のないお参りでは、1~2回鳴らすことが多いようです。
※宗派やお寺によっても考え方が違いますので、確認されるとよろしいでしょう。
リンの鳴らし方について詳しくはこちら>>
ご飯
炊き立てのご飯を私たちが食べる前にお供えします。湯気を食べると考えられているためです。お参りが終わったら下げてお下がりをいただきましょう。
朝にご飯を炊かない場合はお昼などのタイミングでかまいません。パン食でご飯を炊かない場合は、パンを適量お供えされる方もあります。
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お水(浄水)
お供え物
高坏(たかつき)や盛器(もりき)とよばれる器に果物やお菓子などを載せて供えます。
季節のものや故人様の好きなものを供えてもよろしいでしょう。
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座布団
座布団に座る時にもマナーがあります。大切なことは足で踏まない(歩かない)ことです。
リビングなど洋室にお仏壇がある場合や座ることが難しい場合は立って・椅子に座って、のお参りでも問題ありません。
座布団は縫い目がない面をお仏壇側に向け、中央に房のある面を上にします。
座り方
- 座布団の後ろの縁に両ひざをのせる
- 座布団の外側、両横辺の中ほどに手をつき、前に膝をすすめるて座る
- 立ち上がる時は逆の動き(2番の後に1番)をする
法事などでご住職を招く際には、専用の座布団を用意します。通常の座布団よりもひと回りほど大きくなっています。袈裟(けさ)や和装などで洋装よりも場所を取るためです。またお経をあげるのに時間がかかるため座り疲れをしないためともいわれます。
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「導師布団」「御前座布団(おまえざぶとん)」「仏壇座布団」「寺用座布団」「法要座布団」「法事座布団」「仏前座布団」「仏事座布団」「お坊さん用座布団」などともよばれます。
金襴(きんらん)・紫色・緋色などが多く、唐草模様、水連、蜀甲(しょっこう)、鳳凰、龍、牡丹、菊などの柄があります。どの色・柄がいい・悪いということはありません。仏壇仏具店や座布団専門店での取扱いが多いようです。
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訪問(弔問)はどうしたらいい?
お悔やみのあったご家庭でのお参りについて説明します。基本的には自宅でのお参りと大きな違いはありません。<自宅でのお参りについてはこちら>
訪問する際は、平服が一般的です。遺族に「悲しい気持ちを思い出させない」という意味があるとされます。事前に訪問をしてもいいかの確認をしておきましょう。
訪問でのお参りの手順
1.正座し左手に数珠を持つ
2.一礼する
3.香炉にお線香を立てる
4.おリンを鳴らし合掌する
※座布団は位置が気になる場合でも自分で動かさないのがマナーとされています。座布団もおもてなしの一環と考えられるためです。
コロナ禍もあり、葬儀・弔問に伺うことが難しい場合もあります。そうした場合には気持ちをこめてお供え(ギフト)を送られる方が多くあります。お線香やローソク、造花のお花といったお仏壇にお供えしやすく日持ちのするものが選ばれる傾向にあります。はせがわでは掛け紙(のし紙)のサービスを実施しています。
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