神棚とお仏壇の違いは?
神棚とお仏壇にはそれぞれ意味や目的が存在します。「祀るもの・お参りの方法は知っているけど、似ている部分も多くて細かな違いがわからない」と思ったことはありませんか。神棚とお仏壇の配置場所を考えていただく前に、まずはそれぞれがどういったものであるかご説明します。
神棚とはどんなもの?
神棚は神道の神様を祀る、家の中の小さな神社です。神棚には神社を模して造られた「宮形(みやがた)」を安置し、神社よりいただいた「お神札(おふだ)」を祀ります。神棚を新しく用意する場合は、「神棚奉斎(かみだなほうさい)」というお祓いと神様への祈祷を神主に依頼します。
神棚の特徴
- 祀るもの
「神様」…天照大御神様、氏神様、崇拝神社の神様のお神札
- お供えもの
「神饌(しんせん)」…米・塩・水、お酒など
- お参りする理由
日々の恵みへ感謝し、家族の繁栄や厄除けを願うため
- お参りするタイミング
いつでも何回でも可能。朝・夕にすることが多い
- お参り方法
お供えし、二拝・二拍手・一拝(にはい・にはくしゅ・いっぱい)を行う。
お仏壇とはどんなもの?
お仏壇はご本尊やご先祖様を祀る、家の中の小さなお寺です。寺院を模して造られたお仏壇の中には、信仰する仏様を中心に宗派の本堂の様式に合わせた荘厳(しょうごん・お飾り)を行います。お仏壇を新しく用意する場合は「魂入れ」という魂を宿らせるための法要を宗派のご住職に依頼します。
お仏壇の特徴
- 祀るもの
「ご本尊」「ご先祖様」…お仏像、掛軸、お位牌
- お供えもの
「五供(ごく)」…お線香、ローソク、生花、ご飯、水
- お参りする理由
ご本尊やご先祖様を敬い、供養を行うため
- お参りするタイミング
いつでも何回でも可能。朝・夕にすることが多い
- お参り方法
ローソクとお線香に火をつけ、おリンを鳴らし合掌。読経し、ローソクを消す。
どう置く?神棚とお仏壇の適切な配置とは
神棚とお仏壇は、神様と仏様に日々を近くで見守っていただく、家族の生活の中心にあるべき存在です。そして、生活の中心となるリビングやダイニングは、神棚とお仏壇それぞれに適した場所の特徴に当てはまるため、2つの安置に適した場所と言われています。なぜ良いとされるのか、適した場所とその特徴について解説いたします。
神棚に適した場所はどこ?
神棚の安置に良いとされる場所は、部屋が明るく清潔で、人の良い気がとどまり、部屋の中でも天井に近く高いところです。例として、人の集まるリビングやダイニング、和室などがあります。
基本的に神棚は、大人の人の目線より高いところに安置し、棚や台の上に置いたり天井から吊るしたりします。
良いとされる神棚の向きは、一般的に太陽が昇ってくる東向きか、日差しがよく当たる南向きとされています。しかし、北と西が悪い向きというわけではないため、こだわりがなければどの向きにされてもよいです。
■神棚の適した場所について詳しくはこちら
神棚の置き方や、配置する際の方角について解説しているページです。神棚の飾り方やお参りの方法についても詳しく解説しています。
お仏壇に適した場所はどこ?
お仏壇の安置に良いとされる場所は、家族が集まりやすく、落ち着いてお参りできるところです。例として、仏間や床の間のある和室、リビングやダイニング、寝室があります。
寝室は個人的な空間のため神棚を置くことは少ないですが、一方のお仏壇は、ご先祖様とゆっくり語り合いたいという方に、落ち着いてお参りできる場所として選ばれています。また寝室に安置する際は、寝るときに足がお仏壇へ向かない場所に配置します。
お仏壇の向きには諸説あり、信仰する宗派によっても異なります。こだわりがなければ、神棚と同じく良いとされる東向きか南向きにするとよいでしょう。
■仏壇の置き場所について詳しくはこちら
向きや場所など仏壇配置に関する基本を解説しているページです。また、普段お仏壇を置いておく際の扉の開閉マナーや、地震対策についても解説しています。
置いてはいけない!神棚とお仏壇を避ける場所
ここからは、神棚とお仏壇それぞれの避けるべき場所、共通の置いてはいけない場所、同じ部屋に2つあるときのやってはいけない置き方について解説していきます。検討している場所が置いてはいけない場所に当てはまらないか、漏れなく確認していきましょう。
神棚に適さない場所
神棚を安置すべきでないとされる場所は、以下の通りです。
・キッチンなどの水回り・トイレ付近・汚れやすい場所(神様が不浄を嫌うため)
・ドア・廊下の上(頻繁な人の往来で神様が落ち着けなくなるため)
・個室などの個人的な空間(家族でお参りがしにくいため)
神棚の上に階が続く場合も、上の階にいる人が神棚を踏むことになるため避けるべきとされています。その際は、「雲」(もしくは「空」か「天」)と書かれた紙か、木彫りの文字を神棚の真上に貼り付けましょう。
また家相や風水では、北東(邪気の出入りする鬼門の方角)、南西(鬼門と反対の裏鬼門)の向きは不吉な方角とされます。気にされる方は避けるとよいでしょう。
■神棚を安置する際のタブーについて詳しくはこちら
神棚の設置場所やお参りといった神棚に関するタブーについて解説しているページです。購入前に知っておきたい基礎知識についても解説しています。
お仏壇に適さない場所
お仏壇を安置すべきでないとされる場所は、以下の通りです。
・床の傾きのある場所(お仏壇の変形・破損の原因となるため)
・硫黄(いおう)・塩分のある場所(お仏壇の金具の錆び・金箔の変色の原因となるため)
気を付ける点は、一般的な家具と似ています。長く安定して置ける場所を選びましょう。
どちらにも適さない場所
神棚とお仏壇に共通する、家の中の避けるべき場所は以下の通りです。
・人の出入りのない場所(神様と仏様が家族を見守ることがないため)
・直射日光や強い照明に当たる場所(木材の日焼けや傷みの原因になるため)
・じめじめした熱気や乾燥の強い場所(木地が乾燥し傷みの原因になるため)
また、部屋の空調が直接当たるなどして温度変化が激しい環境は、木材と相性が悪いため望ましくないです。神棚とお仏壇も私たち人間と同じであると考え、人間が過ごしやすいような場所に安置することを意識しましょう。
やってはいけない置き方は?
神棚と仏壇を同じ部屋に置く場合には、やってはいけないとされる置き方があります。ここでは、神様と仏様にとって禁忌とされている配置を2つご紹介します。
上下に配置
神棚とお仏壇を上下で配置すると、神様と仏様に優劣をつけてしまうことになり失礼にあたるとされています。(※諸説あります。)またお参りの際、どちらに手を合わせているのかわかりづらくなってしまうため避けるとよいでしょう。
しかし、スペースに限りがあって、どうしても上下に近い位置で置かなければならないこともあります。その場合は、できるだけ真上と真下の配置にならないよう、神棚とお仏壇の中心を左右にずらし、神棚は必ずお仏壇より高いところに安置するようにしましょう。
■左右の位置に決まりはある?
一般的に神棚は左、お仏壇を右に配置することが多いです。難しい場合は逆に配置されても問題ありません。
向かい合わせ
向かい合わせにすると、どちらかにお参りする際、片方へお尻を向けることになり失礼にあたります。
また、神棚とお仏壇が向かい合わせの状態を「対立祀り」といい、家相では災いを招くという意味の「凶」とされるため、吉凶の面でも避けるべき配置となります。
2つの配置でよくある質問
最後に、神棚とお仏壇を同じ部屋へ安置することに関する質問について、よくお寄せいただく内容をご紹介いたします。
Q1.お参りは神棚とお仏壇どちらが先?
A.お参りの順番は、神棚が先でお仏壇が後とされています。
2つを近い距離で安置している場合は、神棚は立って拝礼、お仏壇は座って礼拝というように、どちらに手を合わせてお参りしているかをはっきりさせると良いでしょう。
■お仏壇のお参りについて詳しくはこちら
Q2.神棚とお仏壇は隣に置いてもいい?
A.横並びにすることは避けるべきですが、神棚がお仏壇より高いところにあれば、横の位置でも問題ありません。
神棚とお仏壇の高さが揃って横に並ばないように、上下にずらして配置しましょう。
Q3.神棚は床の間に置ける?
A.床の間に置くといけないものは基本的にないとされており、神棚を床の間に安置することも問題ありません。
お仏壇と一緒に床の間へ安置する場合は、神棚がお仏壇より高い位置になるよう注意し、壁上に棚を作るか台を用意して安置しましょう。
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