神棚の扉は開ける?閉める?どっちが正しい?
神棚は、自宅や会社にいるときでも神様にお参りすることができる「小さな神社」です。取り扱いには作法が必要ですが、神棚の扉には開閉のルールはあるのでしょうか。扉は普段どのようにしておくべきか、理由も合わせて詳しく解説します。
神棚の扉の開閉に、決まりはあるの?
神棚の扉の開閉には、厳密な決まりはございません。
扉の扱い方は地域や家庭によって異なり、神社や神社庁によっても見解に差があります。
そのため、開けても、閉めても、半開きでも、問題ないとされています。どうしても気になる場合は、お札をいただいた神社に聞かれるとよいでしょう。
神棚の扉は普段閉じておく
決まりではありませんが、
神棚の扉は普段閉めておくことが多いようです。(地域によっては完全には閉じずに、半開きにする場合もあります。)
神様は尊く畏れ多い存在のため、軽々しく人目に触れさせないほうがよいという考えがあるからです。神社でも重要な祭事などの催しがある時以外は、本殿の御扉(みとびら)は閉めておくしきたりがあります。
仏教では、立派な本尊を多くの人の目に留まらせ存在感を表すのに対し、神道では神様を覆い隠すことによって威厳を示します。
また、扉を開けっ放しにしておくと中のお札(お神札)に埃が溜まるため、お札を清浄に保つためには閉めておくのがよいでしょう。
喪中は扉を閉じ、「神棚封じ」が必要
喪中は神棚の扉を閉じ、神棚に白い半紙を貼って「神棚封じ」を行います。 神道にとって死は「穢れ(けがれ)」であるため、穢れを神域に持ち込ませないという意味合いがあります。
■神棚封じについて詳しくはこちら(喪中の神棚の扱い方)
喪中の神棚の扱い方、神棚封じについて詳しく解説しているページです。なぜ必要か、いつどのように行うか、具体的な方法を解説しています。
神棚の扉を開けるタイミング
特別な日や神棚のお手入れの際には、扉を開けます。
- 正月の三が日
-
慶事
(結婚、出産など) -
神棚のお札を交換するとき
(年一回・年末など) -
神棚を掃除するとき
(毎月1日・15日や年末など)
また、地域によっては日々のお参りの際に扉を開けることもあります。
■神棚掃除について詳しくはこちら
掃除時期、必要な道具、手順と方法、作法やタブーなど、気になる神棚掃除の基本について徹底解説します。
お札とご神鏡の祀り方
神棚の扉の内部には、神社からいただいたお札を祀り、扉の手前にはご神鏡(しんきょう)を飾ります。神棚の造りによって飾り方が異なるため、正しい方法を確認しておきましょう。
お札の祀り方
神棚には神社から授かったお札(お神札)をお祀りします。お札には神様の力が宿っているため、大切に取り扱いましょう。
神棚にお祀りするお札は下記の3種類が基本です。
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伊勢神宮のお札
「神宮大麻(じんぐうたいま)」と呼ばれ、三重県伊勢市の伊勢神宮で発行されるお札です。神宮大麻は日本全国のほとんどの神社で授かることができます。日本人の総氏神かつ太陽神の「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」が宿るお札で、神宮大麻が神棚の祭祀の中心となります。 -
氏神神社のお札
氏神様(居住地域に根付いた神様)を祀る神社から授かるお札です。 -
崇敬神社のお札
崇敬神社(居住地域に関係なく、個人的に信仰している神社)から授かるお札です。崇敬神社のお札は複数あっても構いません。
お札の祀り方は神棚の造りによって異なります。「一社造り(一社宮・一枚扉の神棚)」の場合と、「三社造り(三社宮・三枚扉の神棚)」の場合の祀り方をそれぞれ解説します。
「一社造り(一枚扉)」の場合
一枚扉の神棚の場合、一番手前は「神宮大麻」、二枚目に「氏神神社のお札」、三枚目に「崇敬神社のお札」を一列に重ねてお祀りします。
※その他の神社からいただいたお札がある場合、三枚目の崇敬神社のお札の後ろに重ねてお祀りしましょう。
一社造りの神棚
一社造りの神棚で最も人気のある商品です。本格的な扉付きの仕様ながら、コンパクトな造りですので、お祀りする場所を選びません。
扉ごと取り外せるため、約28cmの高さのお札までお祀りできます。
「三社造り(三枚扉)」の場合
三枚扉の神棚の場合、中央に「神宮大麻」、右に「氏神神社のお札」、左に「崇敬神社のお札」を横並びでお祀りします。
※その他の神社からいただいたお札がある場合、左側(崇敬神社のお札の後ろ)に重ねてお祀りしましょう。
「御簾(みす・すだれのこと)」が付いている神棚
扉の内側に「御簾(みす・すだれのこと)」が付いている神棚もあります。御簾は人と神様の境界を表しており、御簾を付けることでより丁寧で厳かに神様をお祀りすることができます。お札は御簾の奥にお祀りします。
お札はどうやって入れる?
神棚の種類によって、お札の納め方が異なります。
扉を開いてお札を納めるものをはじめ、扉ごと外して納めるものや、神棚の背部から納めるものもあります。お札をお祀りする前に確認しておきましょう。
お札が神棚に入らない大きさの場合は、神棚の脇(左右)に立てかけてお祀りしましょう。半紙を敷くとより丁寧です。
■お札の並べ方について詳しくはこちら
基本的なお札の並べ方を図解付きで解説しています。神棚にお札が入りきらない場合の対処法、交換タイミングと処分方法、入手方法も紹介しています。
ご神鏡の祀り方
神棚に「ご神鏡(しんきょう)」をお祀りするのは、ご神鏡が神様の依り代になる(神様の力が宿る)ため、また、鏡を通して自分を見つめ、まっすぐな心で神様にお参りするためといわれています。
ご神鏡は神棚の扉(三社造りの場合は中央の扉)の手前にお祀りします。
■神具やお供え物について詳しくはこちら
神棚の神具やお供え物について、必要なもの・置き方・お供えのタイミングを詳しく解説しています。
神棚の適切な設置場所
お札、ご神鏡だけでなく、神棚自体にも適切な設置場所があります。設置場所のタブーと合わせて、どこに神棚を設置すべきか解説します。神棚と仏壇の位置関係についても触れています。
設置場所のタブー
一般的に神棚の設置を避けたいといわれている場所を6つ紹介します。
- 神棚が汚れやすい場所(水回り、キッチンなど)
- 閉鎖的で人気がなく、お参りしづらい場所(寝室など)
- 人通りが多く、落ち着かない場所(玄関などドアや扉の上)
- 神棚の上を人が通る場所(上の階に部屋がある場合など)
- お仏壇と向かい合わせになる場所や、お仏壇の真上
- 目線より低い場所(神棚を見下ろしてしまう場所)
上記の場所を避け、家族が集まりやすく、清浄で、目線より下でない(天井に近い)場所を選びましょう。
■神棚のタブーについて詳しくはこちら
神棚の設置場所とお参りに関するタブーや基本マナーについて詳しく解説しています。
仏壇との位置関係
仏壇と神棚を同じ部屋に置く場合、向かい合わせになる場所は避けましょう。お参りする時にどちらかに背中を向けてしまうことになるため、神様・仏様に失礼であるといわれています。
また、神棚の真下に仏壇を配置することも避けましょう。神様と仏様に優劣を付けるような形になってしまいます。※諸説あります。
■神棚と仏壇の配置について詳しくはこちら
神棚とお仏壇の両方を家に安置する方に向けて、部屋の中での適切な向きや置くべき配置について解説しています。
洋室にも似合うモダン神棚4選
神棚の代表格は、神社の社殿を模して造られた「神明造り」ですが、近年は洋室にも似合うシンプルでおしゃれなデザインの神棚も増えています。また、お札だけ飾れる札立という形状のものもございます。はせがわがおすすめするモダン神棚を4点をご紹介します。
モダンな神棚
箱型の神棚(箱宮)や、ガラス風のアクリル板が付いている神棚など、リビングにもすっきり収まる大きさとデザインのものを選りすぐりました。
■神棚の購入場所について詳しくはこちら
神棚を購入できる場所と、それぞれの特徴を紹介します。神棚の価格の違いについても解説しています。
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