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お盆の定番料理とは?精進料理などのお供え物やタブーな食べ物を紹介

お盆の定番料理とは?精進料理などのお供え物やタブーな食べ物を紹介
お盆では、家にお迎えしたご先祖様へお供えをした後、集った家族や親戚でお供え物を分けて食べることが一般的です。お供え物は、普段も口にしている身近な食べ物や、修行僧が食べる「精進料理」など様々なものがあります。お盆にお供えして食べる、伝統的な食事とはどんなものでしょうか。このページでは、お盆で定番なお供え物や精進料理、お盆ではタブーとされる食べ物について解説します。

お盆とは

お盆の精霊馬の画像

お盆にお供えする食べ物というと、キュウリやナスの野菜、落雁(らくがん)などが有名ですが、そのほかにも様々な食べ物があります。なぜお盆には、普段と異なる食べ物をお供えするのでしょうか。以下では、お盆とは何かを解説します。

お盆の基本知識

お盆とは、普段お浄土にいらっしゃる故人様やご先祖様の霊をご自宅にお迎えし、家族や親戚と集まりお墓参りなどをしてご供養する、夏の仏教行事のことです。

お盆には、故人様やご先祖様への感謝の気持ちを込めて、お線香やローソクなどの普段お供えをする「五供(ごく)」のほか、盆提灯や精霊馬(しょうりょううま)などをお仏壇の前に飾ります。
また、故人様が亡くなってから初めて迎えるお盆の「新盆(にいぼん・あらぼん)」は、浄土真宗以外の宗派では故人様が初めてご自宅に戻られる機会となるため、普段よりも盛大にお飾りをして故人様をお迎えます。

■お盆について詳しくはこちら

お盆の意味ページサムネイル
お盆の意味とは?いつ何をすればいい?期間中に避けるべきことも解説

お盆の基本について解説しているページです。お盆の意味や由来、具体的にいつ何をするかを解説しています。

普段と違うお供えをするのはなぜ?

故人様やご先祖様は、日々お浄土で「よき来世へ生まれ変わるための修行」をされているといわれています。
そのような日々の修行や、お家に戻るための移動によってお疲れになっているご先祖様たちを労い、また日頃の感謝や私たちの願いを伝えるため、お盆には普段と違う特別なお食事を用意するのです。

戻られたご先祖様にお家でゆっくり休んでいただくためにも、普段以上に盛大なお供えでおもてなしをして、 特別なお盆にすることが供養となるでしょう。

お供え物は、ご先祖様に捧げた後に下げて、お盆に集まった方々と分け合って食べることが多いです。これは、生きている私たちがご先祖様からのお恵みを頂くことを意味し、良いこととされています。

お盆にタブーな食べ物とは?

注意のマーク画像

次に、お盆で控えるべきとされる食べ物「三厭(さんえん)」「五葷(ごくん)」を紹介します。仏教では、修行をする者が守るべき食の決まりがあります。仏教の教えを重んじて料理を用意されるのであれば、控えるべきとされる食べ物をお供えや食事に含むのは避けましょう。

肉・卵・魚など動物性の食品
「三厭(さんえん)」

仏教では、獣類・鳥類・魚類を「三厭(さんえん)」と呼び、精進料理には入れない物とされてきました。
仏教には「五戒」と呼ばれる教えがあり、この5つの戒律の1つである「不殺生戒(ふせっしょうかい)」は、「生き物の命を奪ってはいけない」という、動物の殺生を禁じる内容となっています。この教えをお盆の期間も守るべきとして、三厭は避けられてきました。

肉・卵・魚で摂ることができるたんぱく質ですが、精進料理では主に大豆で補っています。

辛味や香りなどの刺激が強いもの
「五葷(ごくん)」

辛味や香りが強い食材は「五葷(ごくん)」や「五辛(ごしん)」と呼ばれ、食べると煩悩を刺激すると伝えられています。食べ物は主に、ニンニク・タマネギ・ネギ・ニラ・ラッキョウなどの野菜を指します。

絶対に守らないといけない?

昔はほとんどのご家庭で実践されてきた決まりですが、現代ではお供えや食事に厳しく制限をしなくてもよいという風潮が広まっています。
お盆の決まりに則るという意識は、時代とともに人々の中で薄れてきています。現代では、「五戒」の教えを守って食事にこだわるご家庭は少なくなり、故人様やご先祖様に好きな物を食べてほしいと願って、生前の好物や家庭料理をお供えするご家庭が多くみられるようになりました。

お盆に定番の食べ物とは?

精進料理の画像

お盆にお仏壇の前へお供えする物は、戻ってこられたご先祖様へ捧げる大切な食事です。感謝や願いを込めてお作りしましょう。以下では、精進料理や定番のお供え物をご紹介します。

精進料理(しょうじんりょうり)

精進料理とは、仏教の教えに則った食材で作る伝統的な料理のことで、「御霊供膳(おりょうぐぜん)」というお膳に料理をのせてお供えします。「精進」とは仏教で「慎んだ行動で雑念を取り除き、一心に仏道を歩む」という意味を持ち、精進料理は修行僧の食事として知られています。

お盆では、仏教の教えである「五戒」の1つ「不殺生戒」に則り、お供えには動物性の食品を避け、野菜や穀物を中心とした精進料理を用意します。

精進料理は、お盆に必ず用意しなければならないということはありませんが、お盆ならではの伝統あるお供え物です。可能であれば、お盆の間に1度はご先祖様へお供えされてみてはいかがでしょうか。

精進料理の準備が大変という場合は、
お手軽にご用意できるフリーズドライの精進料理セットをお使いいただくと便利です。
汁物、和え物、漬物、煮物の4品が、水を加えて温めるだけで簡単に作れます。

精進料理を多くご用意される方には3個、5個が入ったセット(別売り)がおすすめです。

御霊具膳・フリーズドライ精進料理セット

精進料理は主に、次に紹介する2通りの配膳形式で用意されることが多いです。

一汁三菜(いちじゅうさんさい)

一汁三菜の画像

「一汁三菜」の形は略式とも呼ばれ、
ご飯(飯椀)、漬物(高杯・たかつき)、汁物(汁椀)の3品を並べます。また、正式な精進料理ではご飯は白飯が基本とされ、器いっぱいに丸く盛りつけます。

野菜や果物、穀物、海藻類などであれば精進料理に含めることができるため、ご先祖様のお好きなものがあればメインの食材として使うとよいでしょう。

略式御霊具膳

一汁五菜(いちじゅうごさい)

一汁五菜の画像

お膳に5品が並ぶ「一汁五菜」の形は、一般的な精進料理の形式とされています。内容は、ご飯(飯椀)、汁物(汁椀)、煮物(平椀)、和え物(壺椀)、漬物(高杯)の5品です。器の並べ方は、手前から左を飯椀、右を汁椀とし、左奥を平椀、右奥に壺椀、4点の中央に高杯とすることが多いです。

平椀・壺椀・高坏の配置は宗派や地域によって異なります。気になる方は、菩提寺や地域に詳しい方へ相談されるとよいでしょう。

■精進料理で注意するポイント

  • 汁物を作る際は出汁をとる食材に注意

    動物性の食品である鰹節や煮干し(いりこ)などを避け、昆布や干しシイタケなど植物性の食材を使いましょう。

  • 漬物は3切れにならないよう注意

    3切れは「みきれ」とも読み「身切れ」を連想させるため、お供えでは避けるべきとされています。

その他の食べ物

お供え物は精進料理のほかにも、全国的に有名なお供え物や、地域でお供えされる物など多彩な食べ物があります。次に、精進料理以外でお供えすることが多い食べ物をご紹介します。

そうめん

そうめんの画像

夏の時期に定番なそうめんは、お盆にお供えされることが多い食べ物です。
お供えされる理由には、細く長く幸せが続くように願いを込めているという説や、ご先祖様が乗る精霊馬にお土産を括り付ける綱、精霊馬の手綱に見立てている説など様々あります。また、そうめんを食べると疫病にかからないと信じられてきたことから、家族の健康を願い食べられてきたともされます。

お供えする際は、そうめんを茹でず束の状態のまま、まこもの上かお皿に置くのが一般的ですが、地域によってはそうめんを茹でた状態でお供えをしている場合もあります。

団子

白い団子の画像

京都府や西日本地域などでは、お盆に団子を作ってお供えします。
団子には、ご先祖様を迎える際にお供えする「迎え団子」と、送る際にお供えする「送り団子」の2種類があります。
迎え団子は、白玉団子などの白い団子のほか、ご先祖様にお家へ戻って来られるまでの疲れを癒していただくという意味で、あんこを使った団子やみたらし団子を用意することがあります。
また送り団子は、ご先祖様がお浄土の世界へ帰る時のお土産として用意するため、基本的には白い団子をお供えします。

赤飯

赤飯の画像

北海道や宮城県、秋田県などの東北地方では、お盆に赤飯を炊く風習があります。

赤飯に含まれる小豆の「赤色」は邪気を払う色とされており、魔除け効果があると考えられているからです。

なお、北海道では甘納豆を使用するケースが多いなど、同じ赤飯でも地域差があります。

天ぷら

天ぷらの画像

長野県や東北地方では、お盆に天ぷらをお供えすることがあります。
お盆で作る天ぷらは「精進揚げ」と呼び、肉や卵、魚を使うことは避けて、野菜やキノコ類を使って揚げます。通常の天ぷらと異なって衣に卵は使用せず、精進揚げでは小麦粉と水で衣を作るようにします。

また一部の地域では、天ぷらとそうめんを一緒に食べることもあるようです。

おはぎ・ぼたもち

おはぎの画像

お彼岸では定番の食べ物ですが、ご先祖様への敬意や感謝の気持ちを伝えるためのお供え物として、お盆の時期でお供えされるご家庭もあります。

赤飯と同様、おはぎのあんこに使われている小豆には魔除けの効果があるとされています。
また、もち米には五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願う意味が込められています。

地域特有の食べ物

鹿児島県では、夏野菜を煮込んだ「かいのこ汁」、沖縄県では、豚肉としょうがの葉を用いた炊き込みご飯の「ウンケージューシー」「ウサンミ」と呼ばれる重箱料理を準備します。

その他 お盆でよく作られるメニュー

肉や魚介などを含まないお盆料理として、以下のメニューもよく作られています。

  • ご飯系
     いなり寿司 など
  • 惣菜系
     きんぴらごぼう、がんもどき など
  • 汁物系
     けんちん汁、おくずかけ など
  • 甘味系
     ずんだ餅、ゼリー など

ご家庭や地域ごとで作られている料理については、親戚や地域に詳しい方などへ聞いてみるとよいでしょう。また調理の際は、材料をできる限り使いきり、捨てる部分を減らすように工夫しましょう。
当日に準備することが難しい場合は、事前に作り置きした料理をお供えしても問題ありません。

■お盆のお供えについて詳しくはこちら

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お盆のお供え物について解説しているページです。自宅でお盆を迎える場合とお盆のご家庭へ贈る場合についてそれぞれ解説しています。

お供えの置き方と期間について

時計の画像

お供え物を用意した後は、お仏壇の前に置く盆棚(精霊棚)に置いていきます。ご先祖様が食べやすいように向きを変えましょう。以下では、お供えの置き方とタイミング、お供えする期間について解説します。

お供えの置き方とは

お供えを置く際は、お仏壇の方に正面が向くようにします。
精進料理をお供えする場合は、お膳のお箸を置く正面をご先祖様に向けて、食べてもらいやすいようにしましょう。置いた後は、ご先祖様へ手を合わせて「どうぞ召し上がってください」と、心の中で唱えます。

またお供えを下げる際も、お供えする際と同様にご先祖様へ手を合わせてから食べ物やお膳を下げます。

お供えをするタイミング

昔のお盆では、修行僧は精進料理を朝と昼に食べて夜は食事をしなかったことから、ご先祖様も同様に朝昼2回の食事と考えられていました。
しかし現代では、お膳を3食の食事前にお供えしたり、朝のみ用意したり、ご家庭や地域の風習によって一日にお供えするタイミングや回数が異なります。そのためこだわりがない場合は、お供えは各ご家庭ごとのしやすいタイミングに行っていただくとよいでしょう。

料理を作ってお供えすることが難しければ、毎日でなくても問題ありません。
作ることが可能なタイミングでお供えしましょう。ご家庭によっては、親戚が集まる日に合わせて料理をお供えしているということもあります。
料理をお供えできないという場合であっても、日持ちのするそうめんやお菓子などをお供えすることでご先祖様へのご供養に繋がります。

お供えを下げるタイミング

お供え物が料理であれば、食べ物が冷めたりぬるくなったりと、常温になるくらいまで時間が経ったタイミングで下げるのがおすすめです。精進料理の場合は、冷めて湯気が出なくなってから下げることが多いようです。
お供え物は、長時間置いたままにする必要がありません。食べ物が傷みやすいものであれば、お盆の終わりまで置いておく必要はないため、期間中に少しずつ下げていっても問題ありません。

ご先祖様は、食べ物からでる香りや湯気、感謝を込めてお作りした気持ちを召し上がるとされています。下げた後は、ご先祖様から分けていただいたご飯として、家族や親戚と分け合って大切に食べましょう。

いつまでする?お供えの期間について

お供えをする期間は迎え盆から送り盆の間で、お盆の期間として多い8月盆であれば、8月の13~16日の4日間となります。
この期間中は、ご先祖様の霊がお家にいらっしゃるため、お供え物を召し上がっていただけます。お供えは、16日の送り盆を迎えた後、普段通りのお供え物に戻しましょう。

地域ごとにお盆の時期や期間は異なります。住んでいる地域のお盆はいつなのか、事前に確認しておきましょう。

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