神棚ってなに?いつからあるの?
神棚は神宮大麻をはじめとするお神札(おふだ)をお祀りする場所・お神札を入れるもののことです。正式には神棚は場所をさし、神社の建物を模したものを「宮形」といいます。
日本人は古来より全てのものに神様を見出して八百万(やおよろず)の神とよび、畏敬や感謝の気持ちをあらわして大切にしてきました。その中心となるのが、太陽神である天照大御神(あまてらすおおみかみ)です。
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様々な大きさ・デザインの神棚があります。日々お参りする場所になりますので、じっくり検討をしたいものです。実際に下見をしてからの購入がよろしいでしょう。
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御師(おんし)とよばれる人々によって神宮大麻(天照大御神をお祀りする伊勢神宮のお神札)が全国に頒布されました。江戸時代の初期から中ごろに、このお神札をお祀りするため神棚が広まったとされます。
また江戸時代には実際に伊勢神宮までいく「お伊勢参り」「お蔭参り」が大ブームとなっていました。
どこに置いたらいい?方角など決まりはある?
家族が集まりやすい場所・清浄な所・目線より下でない(天井に近い)位置がいいといわれてます。
方角など検討される方もありますが、近年の住宅は神棚やお仏壇の置き場所や方角を最初から考えているものばかりではありません。和室がない・部屋数が少ないなど家のレイアウトも多様になっています。
場所や方角にこだわりすぎず、「この場所に神棚を置いてさしあげたい」と思える場所が一番でしょう。
よく設置される方角
お神札が南か東に向くように設置するのが一般的です。農耕民族だった日本人は太陽の動きを大切にし、また天照大神は太陽を司る神でもあるため、太陽が昇る東向き・日差しが最も降り注ぐ南向きを重要視していたとされます。西向きや北向きにしてはいけない理由は特にありませんので、あまり気にされなくても大丈夫でしょう。
和室・リビングなど部屋の指定はありません。個人の部屋は家族でお参りがしにくいため、集まりやすい居間などが選ばれています。
できれば避けたいこと
お仏壇と同じ部屋に用意する場合、向かい合わせにならないようにします。お参りする際、もう一方にお尻を向けることになるためです。また上下の考えはありませんので、神棚の下にお仏壇が配置されるのも避けれています。
水回り(トイレ・キッチンなど)・ドアの上・神棚の下を人が往来する・廊下なども落ち着かない場所・汚れやすい場所として避ける傾向にあります。
生活に風水・家相などが浸透していることで、方角の検討に考慮されることがあります。よくない方角として鬼門(きもん)・裏鬼門(うらきもん)が不吉な方角にあたるとして避けられることがあります。
- 鬼門…北東の方角。「鬼(邪気)の出入りする方角」を意味する。
- 裏鬼門…南西の方角。鬼門と反対の方角。
神棚の上に2階・3階がある場合は、神棚を踏むことになるため「雲」「空」「天」などと書かれた紙や木彫りの文字を神棚の真上に貼ります。
文字を貼ることで上には何もないことを表現しています。
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神棚の「雲」
神棚を買う(用意する)タイミング
決まった購入時期はありません。思い立ったが吉日、家内安全・商売繁盛・諸願成就を願ってお祀しましょう。新築・リフォーム・引越し、お店の開店・事務所開き、結婚・出産といった節目のイベントなどの新しい生活をはじめるときに、新しく用意する傾向にあります。
神道には「浄明正直(じょうみょうしょうじき)」といって、清く・明るく・麗しい心を大切にする考えがあります。また新しいうちは神様の力が強く、古くなると神様の力が弱まるとも考えられています。伊勢神宮では「式年遷宮(しきねんせんぐう)といって20年に一度社殿を新しくしています。神棚もどんなに長くても、20年を目安に取り替えるとよろしいでしょう。5年毎など決めている家庭もあります。
お正月は歳神様が各家庭に訪れるとされ、新年は新しい神棚でお迎えすることが好まれます。
神棚の飾り方は?お神札(おふだ)と神具の配置
神棚の基本的な祀り方をご紹介します。
設置場所にゆとりがある場合には、御簾(みす)やしめ縄などもお飾りして華やかにお飾りしましょう。また地域によっては神棚を使用しない地域もあるようです。そうした場合は近くの神社・近所の方に相談し、できる限り伝統を大切にされるとよろしいでしょう。
お神札の並べ方
お神札を神棚に飾る場合は、席次のように順番が決まっています。向かって中央・右・左の順に重んじられています。
神棚の大きさやデザインによっては横ではなく、奥に1列に重ねて並べます。その場合は手前・真中・奥の順です。
お神札は1年ごとに新しくしましょう。古いお神札は、回収場所(箱)が多くの神社であります。
- 天照皇大神宮…祭祀の中心となる伊勢神宮のお神札(天照大神)。伊勢神宮をはじめ全国の神社でおわけいただける。お伊勢さんなど様々な呼び方で親しまれている。
- 氏神神社…氏神様を祀る神社。どこか不明な場合は近所の神社に聞く・都道府県の神社庁に問い合わせるとわかる。
- 崇敬神社…個人の好きな神社・信仰する神社。
お神札を包装している薄紙は、家庭や会社までに汚れないようにするためのものです。神棚や札立て(札差し)に納める直前に薄紙を取るとよろしいでしょう。
またお神札はサイズが様々です。神棚に納まるサイズを事前に確認しましょう。
神具の並べ方
お供えする、神様のお食事は「 神饌(しんせん) 」とよばれます。米・塩・水が基本となり、お酒などもお供えします。季節(旬)の初もの、いただきもの(お菓子)などをお供えしてもよろしいでしょう。
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図は供え方の一例になります。お米に関するものを神棚の近くになるようにします。
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洗米皿(せんまいざら)
お米・お塩を円錐形になるように盛ってお供えします。毎日お供えするのが原則ですが、難しい場合には1日と15日に取りかえても構いません。
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平次(へいじ)
御神酒(おみき)をお供えします。お供えするときにはふたを取ります。
1日と15日にお供えする他、お正月、お祭りのときにもお供えします。
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水玉(みずたま)
お水をお供えします。お供えするときにはふたを取ります。
水は毎朝取りかえます。
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榊立(さかきたて)
榊をお供えします。
榊は1日と15日に取りかえることが多いですが、必ず枯れないうちに取りかえます。中の水は毎日取りかえましょう。造花の榊を利用される方もあります。
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火立(ひたて)
あかり(火)を灯します。陶器製・かがり火立・灯篭など種類がありますが、同じ意味のものです。ローソクはお参り前に火をつけ、終わったら消します。火の心配から電子タイプを使用することもあります。
お供えした物は、お下がりとして食事などでありがたくいただきましょう。神様のパワーをおわけいただけると考えられています。
どうやって置く?設置方法
生活様式のモダン(洋風)化により、神棚のデザインから置き方まで多様になりました。ホコリがつかないようにガラスケースにいれる方もあります。また設置方法も様々です。
家にあう・生活にマッチするものをお参りしやすい場所に設置するとよろしいでしょう。床に直接置くなど粗末にならなければ、飾ってさしあげたいという気持ちが大切になります。
上から吊るす
棚板とよばれるL字型の木製台を壁に取り付け、そこに神棚を設置する方法があります(吊り板ともよばれます)。
台を神棚の大きさにあわせてカットするなど慣れない作業で難しい場合もありますので、大工さんや工務店などへ取り付けを依頼するとよろしいでしょう。一軒家など大きさに余裕のある家庭・会社などでよく使用されています。
棚板
壁にかける
神棚の後ろにフックがあるタイプ、ウォールシェルフタイプの神棚も登場しています。
コンパクトや軽いものが多く、壁に穴をあける必要がありますが小さく済むことも多いです。シンプルやおしゃれな傾向もありリビングなど洋室にもマッチします。
洋風棚板
台に置く
従来の神棚・モダンな神棚、どのタイプでも壁に設置することが難しいこともあります。その場合は無理をして設置をすることはありません。
タンス・チェストの上などに置いても問題ありません。札立て、という設置場所を台の上を前提にしたものもあります。
札立
神棚へのお参り方法は?
神棚にお参りする時には作法(マナー)があります。多くの神社でも同様の手順になりますので、習慣となって覚えると便利でしょう。事前に手や口をすすいで清め、お供えをしておきます。
お参りするタイミングや回数に決まりはありません。「身口意(しんくい)」という言葉があり、行動・言葉・気持ちを表すことが大切に考えられています。朝・夕に挨拶を兼ねてお参りする傾向があります。
二拝二拍手一拝(にはいにはくしゅいっぱい)をしましょう
① 二拝…姿勢を正し腰を90度ほどまげ2回礼をします。
② 二拍手…胸の前で手をあわせ、右手を少し下にずらして二度手を打ちます。そのまま両手を揃えて祈ります。
③ 一拝…最後にもう一度90度ほど腰をまげて礼をします。
祝詞(のりと) はする?
より丁寧にお参りする際には「神棚拝詞(かみだなはいし)」という祝詞をよみ、その後に二拝二拍手一拝をしましょう。
祝詞(のりと・しゅくし)とは神様へ奏上したり、神祇のためにある儀式を行う際に用いられる詞や文章のことです。
神棚拝詞
此(こ) の神床 (かむどこ)に坐(ま)す掛(か)けまくも畏(かしこ)き天照大御神(あまてらすおおみかみ)・産土大神等(うぶすなのおおかみたち)の大前(おおまえ)を拝(おろが)み奉りて恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(もう)さく大神等(おおかみたち)の広き厚き御恵を辱(かたじけな)み奉り高き尊き神教(みおしえ)の随(まにま)に直(なお)き正しき真心もちて誠の道に違うことなく負い持つ業(わざ)に励ましめ給(たま)い家門(いえかど)高く身健(みすこ)やかに世のため人のために尽 くさしめ給えと恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(もう)す
意味
この神棚に仰ぎまつる、言葉にだすことも恐れ多い天照大御神、この土地にお鎮まりになっている産土大神の御前を拝して謹んで申し上げます。
神々の広く厚い御恵みをもったいなく思い、高く尊い神の教えのとおり、素直で正しい真心によって人の道を踏み外すことなく、従事する勤めに励むことができます様に、また家が栄え、家族も健康で世のため、人のために尽くさせてくださいと、恐れ多くも(謹んで)申し上げます。
神棚には魂入れではなく「神棚奉斎」
神棚を用意した際におこなうのが「神棚奉斎(ほうさい)」または「神棚奉鎮祭(ほうちんさい)」です。仏教でも魂入れという法要がありますので、そちらの名称でいわれることもあります。
空間を清め(お祓い)、神様が神棚にお鎮まりいただき家族を見守ってくださいとご祈祷するものです。モダンな簡略化された神棚も多く、おこなってない家庭もありますが可能であれば実施したいものです。
神主さんを自宅に招く・神社へいく、2つの方法があります。時間は20~30分程度、費用は5,000円から30,000円程度になります。事前に神社へ「神棚奉斎」の実施の有無や費用など確認をするとよろしいでしょう。自宅でおこなう場合には用意するべきお供えも把握しておく必要があります。料金は無地の封筒または、表に「初穂料」「玉串料」と記載するとよろしいでしょう。
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