神棚とは?家に祀るのはどういう意味があるの?
神棚とは、家庭内で神道の神様をお祀りするための場所のことです。一般的に、神社で祈祷を受けたお札を祀り、榊をはじめとするお供え物を供えてお祀りします。
一般家庭で祀られるようになったのは江戸時代頃とされており、「お伊勢参り」ブームに伴って「神宮大麻(じんぐうたいま)」と呼ばれる伊勢神宮のお札が全国に頒布され、このお札を納める場所として神棚が生まれたと言われています。
■神棚を家に祀るのはどういう意味があるの?
日本では、古来より全てのものには神様が宿っているという「八百万(やおよろず)の神」の考えがあり、畏敬や感謝の気持ちをあらわして大切にしてきました。そして家にも様々な神様が宿ると考え、自分たちを守護してくださる神様を目に見える形で祀るため、家の中にも神棚を設けるようになりました。
現代における神棚は、日々見守って下さる神様に日頃の感謝を伝えたり、家内安全や商売繁盛を祈願するための場としての意味を持ちます。また、神様を大切にする心を通じて敬いの心を育んでくれるものとしても考えられています。
【設置場所・お参り】これだけは知っておきたい、神棚に関するタブー
神棚は神様を祀る神聖な場所ですので、神様に対して失礼のないようにお祀りしたいものです。
神棚に関して絶対的なルールや決まり自体はありませんが、中にはできれば避けるべきタブーもございますので、ここでは神棚の設置場所・お参りの2つのトピックに関するタブーを合計9選ピックアップしてご紹介します。
神棚の設置場所・方角・位置に関するタブー6選
神棚は、リビングなどの明るく清潔で家族が集まりやすい場所にお祀りするのが最適とされていますが、一方でタブーとされる場所もございます。ここでは、神棚の設置場所や位置など、神棚の設置場所に関するタブーをピックアップしてご紹介します。
タブー1.神棚が汚れやすい場所(水回り、キッチンなど)
神様は穢れを嫌いますので、水回り(洗面所やトイレの近く)は基本的に避けましょう。また、キッチン(台所)も油汚れや熱気で榊が枯れやすいなどの観点からなるべくは避けるべきですが、荒神様(火の神様)をお祀りする場合については最適な場所とされています。
キッチンは基本的に避けるべき場所としてご紹介しましたが、その一方で、冷蔵庫の上であれば神棚を設置いただいても問題はないとされています。一説には、食べ物は命を繋ぐために欠かせないものであり、その食べ物を保管する場所である冷蔵庫は神棚との親和性が高いからと言われています。
タブー2.人気がなく、お参りがしにくい場所(寝室など)
人気がなく家族が集まりにくい場所は、気軽にお参りができないためタブーとされています。特に個人の部屋や寝室については閉鎖的なプライベート空間になりますので、なるべくなら避けましょう。
タブー3.人通りが多い場所(玄関やドア付近など)
人がよく集まる場所であっても、玄関や階段、ドア付近などの出入りが激しい場所はお参りがしにくく、また神様にとっても落ち着かない環境になりますのでタブーとされています。
タブー4.神棚の上を人が通る場所(上の階に部屋がある場合など)
上に廊下があるなど日常的に人が上を通る場所は、神様を間接的に踏む形になってしまうため基本は避け、家の中の最上部(一番天に近いところ)に設置するのが最適です。
近年は2階建て住宅や集合住宅(マンション)が増えており、住宅事情の関係から最上階への設置が難しいケースも増えてきています。
その場合には、「雲」「空」「天」などと書いた紙や木彫りの文字を神棚の真上に貼ることで「神棚の上には何もない」ということを表現し、神様に敬意を払うことができます。
タブー5.お仏壇と向かい合わせになる場所や、お仏壇の上部
お仏壇と神棚を同じ部屋に置く場合は、お参りする時にどちらかにお尻を向けてしまうことになるため、向かい合わせになる場所は避けましょう。
また、上下の配置も神様と仏様に優劣を付ける形になってしまうため、神棚を取り付けた棚板の下側にお仏壇を置くといった配置も失礼にあたるとされています。
タブー6.神棚を見下ろしてしまう高さの場所
人の目線より低い場所に神棚を置いてしまうと、お参りの際に神様を見下ろす形になり失礼ですので、必ず目線よりも上の位置にお祀りするようにしましょう。
■神棚を配置してはいけない方角はある?
方角のタブーは特にありませんので、あまり気にされなくても問題はありません。よく「神棚を北向きや西向きに置いてはいけない」と言われますが、実際には「太陽が昇る東向き」、または「日差しが最も降り注ぐ南向き」が良いとされているだけですので、それ以外の方角がタブーという訳ではありません。
上記で設置場所や方角のタブーをご紹介いたしましたが、近年の住宅は、神棚やお仏壇の置き場所や方角を最初から考えているものばかりではありません。
あくまでも絶対的なタブーはございませんので、場所や方角にこだわりすぎず、最終的にはご家族の皆様が集まりやすく落ち着いてお参りできる場所をお選びいただくのが一番です。
■神棚の祀り方・飾り方について詳しくはこちら
神棚の祀り方 | 神具などお供え物の飾り方(配置)について解説
神棚の祀り方の基本を知りたい方に向けて、神棚のお供えに必要なもの(お米・お塩・お水をはじめ榊など)の紹介や置き方、お供えタイミングなどを解説したページです。
神棚のお参りに関するタブー3選
神棚は神様をお祀りする神聖な場ですので、常に清浄に保つ必要があります。また、毎日休みなく私達を見守ってくださる神様に対しての感謝と敬意を忘れずに接することも大切です。ここでは、神棚をお祀りして日々お参りしていく中でのタブーを3つご紹介します。
タブー1.定期的に交換せず、ずっと同じお札を祀る
お札は年に1度、1年間家族を見守ってくださった感謝を込めて新しいお札に交換する形が基本ですので、ずっと同じお札を祀り続けるのはNGです。年末年始のタイミングを目安に、お札をいただいた神社に納めてお焚き上げいただいてから新たなお札を受けるようにしましょう。
タブー2.神棚を掃除せずに汚れを放置する
神様を祀る神聖な場ですので、長期間掃除せず不潔なままにしまうのも失礼にあたります。できれば日頃からこまめに布やハタキを使ってお手入れいただき、時々は神具を下ろして念入りにお掃除いただくといいでしょう。
■掃除では取り切れない汚れがある場合は、神棚を買い替えましょう
神棚は一度購入したら絶対に同じものをお祀りし続けなければならないという決まりはなく、自宅の引越しやリフォームを始め、経年劣化による汚れや傷みが出てきた場合など、お好きなタイミングでお買い替えいただいて問題ございません。
買い替える場合には、今ある神棚は神社で祈祷いただいてからお焚き上げなどの形で処分いただく形が基本です。
ただし、地域や神社のお考えによって異なる場合もございますので、気になる方は氏神神社(ご自身が住まわれる地域の氏神様をお祀りする神社)の神職にご相談されてもいいでしょう。
タブー3.長期間にわたってお参りせず放置する
休みなく見守ってくださっている神様への感謝を込めて、神棚は基本的には毎日の朝夕(難しければ1日1回)にお参りをするのが基本です。長期間お参りをしない、お供えを差し上げないなどほったらかしにしてしまうのはタブーにあたりますので気を付けましょう。
神棚に関するよくある3つのご質問
最後に、神棚をお祀りするにあたってよくお寄せいただくご質問を3つピックアップしてご紹介いたします。
Q1. 一つの家に神棚が二つあるのはタブーでしょうか?
A.一つの家に二つ(複数)の神棚があっても問題はございません。
絶対的なルールはありませんので、家の中で崇敬する神社が異なったりするなどの理由がある場合には複数お祀りいただいても失礼にはあたりません。その場合には神棚の分だけ榊やお供え物を用意する必要があり、定期的なお掃除も発生しますので、片方に偏ってしまわないように気を付けましょう。
また、地域や神社によっても考えが異なる場合もありますので、もし不安がある場合には崇敬神社にご相談いただくといいでしょう。
Q2.お供えや掃除をする際、女性は神棚に触れてはいけないと聞きましたが本当ですか?
A. 性別に関係なく、どなたでも触っていただき問題ございません。
神道が嫌う「穢れ(けがれ)」は、死や血、病気などの間接的なものも含めて穢れと考えられており、女性は月経や出産など血との関連性が深いことから「穢れと関係性の深い女性は神聖な場に入ったり触れてはいけない」と考えられていました。
ただしこの考えは平安時代以降に定着したものであり、そもそも古代の日本では女性を穢れとしてみなす考えはありませんでした。時代の変化と共に女人禁制の考えは再び廃止され、現代では女性が神聖な場に触れても全く問題ないと考えられています。
Q3.DIYで自作した神棚をお祀りするのは失礼ですか?
A.一番大切なのは神様への感謝の心ですので、自作した神棚をお祀りいただいても問題はありません。
中には、ホームセンターや百円均一ショップなどで購入したラックなどを組み合わせて自作する方もいらっしゃいます。
また、近年は住宅環境の変化に合わせ、マンションや洋室にも合うコンパクトなモダン神棚も登場しています。壁に吊るすのが難しい場合には、平置きタイプの神棚がおすすめです。また、神棚までは置くスペースがないという場合には、お札だけをシンプルにお祀りできるお札立ても便利です。
■賃貸マンションに神棚を置く場合について詳しくはこちら
賃貸マンションにおける神棚の選び方や設置場所、注意点を解説いたします。モダンでコンパクトな神棚・札立てもご紹介します。
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