神棚ってなに?移動はできる?
神棚は掃除を行う時以外あまり触れないもの、という方がほとんどです。そんな、触れるといけないようにも感じる神棚ですが、設置場所を変えたい場合は取り外して移動させてもよいものなのでしょうか?以下では、神棚がどんなものかについて解説します。
神棚の基本知識
神棚は家の中の小さな「神社」です。
氏神神社や産土神社、崇敬神社の「お神札(おふだ)」をお祀りし、家内安全・商売繁盛・諸願成就などを願ってお参りします。部屋や生活に合うものを選び、また人の目線より高く、家族がお参りしやすい場所に設置することがよいとされています。
神棚は、節目のイベントや新しい生活をはじめる際に新調することが多いですが、お神札は1年ごとに新しくするようにして、古いお神札は神社にお返しします。
神棚は移動しても大丈夫?
リフォームや引っ越しなどをきっかけに、神棚を新しい場所へ移動することは問題ありません。
神棚は繊細なものであるため、取り外しや移動で持ち運ぶ際など傷つけないよう注意が必要です。中でも、神様が宿るお神札は丁重に取り扱いましょう。
作法はある?神棚移動の手順
以下では、神棚の移動についての手順を解説します。神棚へ触れる際は細かい装飾に注意し、ひとつひとつの作業を丁寧に行っていきましょう。
神様へ移動することを報告
神棚を移動することが決まれば神様へ伝えに行きます。
家の中で移動させるという場合は、お祀りしている土地の氏神様へ参拝して神棚を移動する旨を報告しましょう。
神棚の移動には、場所を移す前に神主へ祈祷を依頼することが正式な流れとされますが、最近では行わないことが多いです。正式な形で祈祷を行いたい場合は、神社の社務所に連絡をします。お包みする玉串料の金額も神社によって異なりますので、事前に確認しておくとよいでしょう。
■家を引っ越しする場合は?
他の地域に引っ越して土地の氏神様が変わる場合は、現在お祀りしている氏神様の神社に参拝します。氏神様に引越しの報告とお世話になったことへの感謝を伝え、お神札を神社の回収場所へ返しましょう。
その後は、引越し先の氏神様になる神社へ参拝して、新しいお神札をいただきます。
神棚を撮影する
神棚の移動後に、お神札や神具をスムーズに元の通り配置できるよう、
現在ある神棚の状態を写真に撮っておきましょう。
神棚の掃除をする
現状の撮影を行ったら次に神棚の掃除を行います。
はじめに手や口をお清めし、挨拶のお参りをしてから掃除にとりかかります。神棚は水や洗剤を使用せず清潔な布で乾拭きし、ハタキやブラシで埃を落としていきましょう。
■神棚の掃除について詳しくはこちら
神棚の掃除方法について解説しているページです。時期や必要な道具、掃除のタブーについても解説しています。
神棚からお神札を取り出す
掃除を済ませたらお神札を取り出し、清潔な白い布か紙で包みます。
またお神札を取り出した後は、神棚や神具を梱包する箱には入れず、お神札のみで丁寧に保管します。保管時、お神札が他の荷物の下敷きになることは避けましょう。
神棚と神具を梱包する
お神札を取り出したら、神棚を取り外して下ろします。神棚は直接床に置かないように、清潔な布を敷いた上に置きましょう。
次に、神棚と神具を梱包し、強度のある箱に収めていきます。梱包時は、神具も布の上に置いて作業をするように注意しましょう。
梱包のポイントはこちら
新しい場所へ神棚を設置する
神棚にお神札を納める
神棚の設置を終えた後、お神札を神棚へ納めて祝詞(のりと)を唱えます。
新居に引っ越した場合は、引越し先の氏神様になる神社よりいただいたお神札を納めましょう。
■移動後にやるべき「祝詞(のりと)」とはなに?
神棚へお神札を納めた後は「祝詞」を唱えます。主に唱える祝詞は「天津祝詞(あまつのりと)」と「神棚拝詞(かみだなはいし)」の2つで、どちらも神棚に対しての感謝を意味する言葉です。
祝詞はご自身で唱えることも可能ですが、神主をお呼びして唱えていただくのが正式な形です。神社へ依頼する場合の玉串料は5千円から1万円とされることが多いですが、神社や地域によって金額が異なるため、神社の社務所や地域に詳しい方へ確認しておくとよいでしょう。
スムーズな移動作業のポイント
移動の作業には、事前に知っておくことでスムーズに対応できることがいくつかあります。以下では、移動作業をスムーズに行うためのポイントをご紹介します。
移動に適した梱包方法
ご自身で運ぶ場合の神棚は、衝撃や汚れから守るため清潔なタオルなどに包み、寝かせず立てた状態で、段ボールや頑丈な箱に詰めて移動させます。また、神棚が中で動かないように、緩衝材や丸めたタオルなどを入れると安心です。
手提げの入れ物は衝撃に弱く、神棚が破損してしまう恐れがあるため使用を避けましょう。
移動作業のポイント3つ
引っ越し業者に神棚への対応を確認
引っ越しを業者に依頼する場合、神棚の移動が可能か・料金が変わるかについて、業者へ事前に確認することをおすすめします。
引っ越し業者の中には一部、神棚の移動を受け付けていない業者もあり、その場合当日はご自身で移動する必要があります。また神棚の移動が可能な場合でも、引っ越し費用の中に含まれずオプション扱いとされることが多いです。通常の引っ越しプランに追加料金が発生するか確認しておきましょう。
搬出は最後、搬入は最初に行う
引っ越しの荷造り作業の中でも 、神棚に関係するものは最後に行います。
神棚は家や家族を守る存在です。そのため、引っ越しやリフォームで家を出る際には、全てのものが搬出できるまで家の中に残っていなければならないとされています。また新居への搬入時は、家具の中で1番最初に神棚を運び入れるようにしましょう。
移動先でのよい配置を考える
新しい場所や新居の中で神棚を設置する場所を事前に考えておくとスムーズです。
神棚は明るく清浄で、人が集まりやすいところが設置に適した場所とされています。また良いとされる神棚の向きは、太陽が昇ってくる東向きや日差しがよく当たる南向きです。
家の中には設置に向かない場所もあるため、神棚に良い条件が揃う場所を考え、候補を絞っていくとよいしょう。
■神棚の配置について詳しくはこちら
神棚の方角に決まりはある?お神札の飾り方、お参りの仕方もあわせて解説
神棚の設置方法や置くべき配置について解説しているページです。神棚に置く神具や日々のお参り方法についても解説しています。
神棚移動の注意点とは?
以下では、お神札や神棚を取り扱う際の注意点を紹介します。神様にとって失礼な行いをしないよう確認しておきましょう。
お神札は自分で運ぶ
基本的にお神札は、神棚とは違って業者など他の人へ渡さず、ご自身や家族が運ぶようにしましょう。
お神札に息を吹きかけない
神様と対面する際、神様に私たちの息が吹きかかってはいけません。これは、人間の息が神聖な神様を穢すものとされているためです。お神札や神棚に息を吹きかけないようにマスクをするか、和紙を口にくわえた状態で作業を行いましょう。
神棚には直接触れない
神棚に直接触れることは避けるべきです。手袋をつけるか、和紙などを介した状態で触れるようにしましょう。
また、掃除や移動のタイミングなどで神棚を床に下ろすこともありますが、床に直接置かずに布を敷いた上へ神棚を置くよう注意しましょう。
神棚の移動に関してよくある質問
以下では、よくお寄せいただく神棚の移動についての質問をご紹介します。
Q1.お神札・神棚の処分はどうしたらいい?
A.お神札を手放す場合は、お神札をいただいた神社の境内にある、専用の回収場所へお返しします。また神棚を手放す方法は、主に以下の4つです。
・神社に処分を依頼する
・神棚・仏壇仏具の販売店に依頼する
・不用品改修業者・遺品整理業者に依頼する
・自治体のごみとして処分する
現在の神棚を購入・設置時に魂入れの儀式を行っていた場合、処分の前に祈祷(魂抜きの儀式)が必要となります。神棚の祈祷は、神社へ神棚を持ち込む場合と自宅まで神主に来ていただける場合があります。
■神棚の処分について詳しくはこちら
神棚の処分方法4選・費用相場|交換・お供えの処分についても解説
神棚の4つの処分方法について解説するページです。
Q2.神棚の移動に吉日はあるの?
A.移動によいとされる吉日はありません。タイミングの合う日時に行うとよいです。
神棚を元の場所から動かした後は、できるだけ早く次の場所へ移動して設置するように心がけましょう。
Q3.引っ越し先に神棚がある場合はどうする?
A.神棚をそのまま使用する場合もありますが、入れ替えてしまっても問題ありません。
神棚を祀っている実家へ引っ越しをするなどで、引っ越し先に元から神棚が設置されている状況もあります。この場合は、神棚を入れ替えずに元より祀っていた神棚を使い続けることが多いようです。
まとめ
神棚を移動することは一生に何度もない機会です。
慣れない作業が続きますが、神様への報告をしっかり行い、お神札や神棚の取り扱いに注意して作業しましょう。また動き方の流れやポイントを押さえ、適切なタイミングで業者や神社などへ依頼ができるようにしておきましょう。
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